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組織力 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ (ちくま新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 単行本
ブランド: 筑摩書房
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行き過ぎた成果主義を、修正し、乗り越える組織をつくる本 ★★★★★
転職市場の発達は、労働者を「部品」化してしまい、結局、
労働者のためにはならない、と筆者は言う。
仕事の報酬は「賃金」ではなくて「次の仕事」であるのが望ましく、
「また君といっしょに仕事がしたい」というのが最高の報酬だという意味
のことを言っている。そのとおりだと思う。

組織の力は、構成員の力を合算したものではない。
チームとして機能することで、それ以上にもそれ以下にもなるから
能力の高い人をカネでかき集めただけでは、組織の力も発揮できない。

良い組織をつくる方法
1.組織力を宿す(やどす):結果だけではない。組織は生きている。
2.組織力を紡ぐ(つむぐ):仕事を本当の意味で共にする
3.組織力を磨く(みがく):長期的経営的スケール観を持つ
4.組織力を繋ぐ(つなぐ):目標を達成するだけではなくて、次の仕事を。

ちょっと新書では、筆者も言い足らなかった部分があるのではなかろうか。
次は、より体系化、フレームワーク化して単行本として出して頂きたい。
未来傾斜システムはすばらしい ★★★★★
「できる社員はやりすごす」以来の高橋伸夫先生のファンです。
日本全体が下降期に入ったので、昭和のころのような未来傾斜システムを維持し続けるのは難しいように思われます。
一方で、大手の正社員一人育てるのに、派遣や、請負や、系列会社といった外部の人材によるサポート(高橋先生風に言えば、”尻拭い”)が必要なことも現実です。
ところが最近は、派遣労働者たちが、均等待遇を求めて反乱を起こし始めました。
会社もプロパーの人材だけに気を使うわけにはいかなくなっています。
そして、同じ職種であっても、要求される技術、技能が多様化、専門化してきてもいるので、旧世代が、正確に下の世代の業務を把握するのも困難になっていると思います。
外部からの人材の活用や、業務の外への分散の必要性は高くなっていくと思います。
プロパーの育成のみを考えた、古典的な未来傾斜システムではなく、外部人材の育成まで考えた新しい未来傾斜システムが必要だと思います。
日本のビジネスマンのための経営組織論入門 ★★★★☆
実際に日本でビジネスに携わる者にとって、経営組織論に関しては米国のビジネススクールで使用されているような書物があまり役に立たないと感じることも多い。そのような中で、著者は年功序列制といった日本型システムを擁護する立場から、バーナード・サイモンといった米国の伝統的な研究者の議論を日本企業に「当てはめ」を行い、大変価値のある研究を行ってきた学者である。

本書はあくまで啓蒙書であり、意図的にくだけた表現も多用されている。また、恐らく大学での講義や講演等で話しているであろう雑談も多く含まれ、著者の知識や学術的立場がはっきりしていることも相まって、非常に読みやすい本となっている。伝統的な日本企業の管理職(ないしはその予備軍)が自らの組織について考え、学問的なものにヒントを求めたときに、最低限の答えを提示してくれる本ではないかと思う。

さはさりとて所詮は新書であり何か目新しいものがあるわけでもない。しかし、私の知る限り学者による経営組織論の廉価本は今まであまりなかったが、本書は最低でも価格以上の価値がある本だと思う。書名は「組織力」とされているが、本レビュータイトルの通りの本だと思って読まれるのであれば、裏切られることはないであろう。

やや物足りない ★★★☆☆
優れた文章能力の持ち主である高橋氏の著作はどれも一読の価値はあるのだが、本書はやや物足りない。おそらく出版社の企画が先行したためだろうが、高橋氏の過去の学術的著作と『虚妄の成果主義』に代表される啓蒙的著作の再編集版というのが率直な読書感である。ストーリーの仕込みも他の著作のものと重複していて二番煎じ、三番煎じの感が否めない。Weickの著作の解説が主内容である付章「組織化の社会心理学」も紙幅を規定分量まで増量するための仕掛けにすぎないように思える。この章はおそらく高橋氏の講義ないしゼミためのメモの転用であろうか。学生諸君はともかく、現役のビジネスパースンは本書をどう評価するであろうか?
組織論は奥が深い。成果主義をどうやって乗り越えるのか。 ★★★★☆
個人ではできないことを組織だとやれる。なぜそれが可能なのか。さらに組織力を発揮しつづける組織作りはどうすれば可能か。これを解明すべく書かれた本である。
 前書きで著者も述べているが、個々の成員の小さな成功体験を積み重ねることでしか組織が思うように力を発揮できるようにはならない。
このことを目次にしたがって書くと、組織力を宿す、紡ぎ、磨いて、繋ぐ過程でもある。しかし、いうほど簡単ではなくて経営する側はどうしても成果主義であおることに行きがちであることを著者は何度も指摘している。特に外資系の会社で成果連動報酬制がしかれるとその方向で暴走してしまう実態に触れている。

理論と著者が体験した様々なできごとを適度に織り交ぜて展開しているのでわかりやすいが学者の見解について書かれている部分も多いので経営学の本を数冊は読んでないとすべてを理解できないかもしれない。