実は芥川賞作家だったのだ。
★★★★☆
尾辻克彦は実は「トマソン」「路上観察学会」「老人力」「1万円事件」などで有名な、赤瀬川原平さんの事です。彼は実は本書「父が消えた」で芥川賞を受賞している作家でもあります。
本編は、実父の臨終の時に感じた不思議な感覚を、比較的シリアスに表現して作品です。「尾辻克彦」と 「赤瀬川原平」という二つの名前はどちらも本名ではありません。このお父さんの存在が二人の芸術家の誕生に深くかかわっている事は以外と知られていないのでは?
受賞後も「作家ずら」しないところがまったく尾辻(赤瀬川)さんらしいです。彼のファンには是非読んでいただきたい、隠れた名作です。