RBVの参考書として最適
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RBV(Resource Based View)の考え方を非常に分かり易く、かつ、理論的水準を落とさずに解説している秀逸の書籍です。RBVの代表作としてはJ.B.バーニーの「企業戦略論」(三部作)がありますが、本書はこれを圧縮したような仕上がりになっています。RBVは企業の内部資源に競争優位の源泉を見出すというアプローチですが、マイケルポーターに代表される市場ポジショニングと外的要因を重視した競争戦略と併せて学ぶことで、戦略論の理解が深まると思われます。
企業経営戦略にとっての最強の教科書
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魅力的な戦略を立案・提案した際に、「そうは言ってもリソースが無い」という反応をされた方は多いと思います。
そのような反応に対してどのような理論をもって説得すれば良いか。本書は、この問いに対する答えを模索する上でのバイブルと言えます。
経営戦略は企業戦略と事業戦略の二つに大別されますが、このうち企業戦略の方の考え方を中心に、その理論を網羅的にかつ本質を外すことなく説明しています。
まず企業戦略のフレームワークについての理論的な説明を行った後、競争の機軸となる資源についての考え方を解説。
その後に、対照的な考え方(規模の経済と範囲の経済、多角化とその組織的限界)ついて言及、そして多角化企業のマネジメント、企業としての優位の創出、そしてコーポレートガバナンスへと続きます。
これはまさに大企業の経営者そしてスタッフ部門で複数事業を動かしながら企画を行う方にとって最強の教科書です。
全社戦略の解説は平易で明瞭
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経営戦略の導入本としてはかなり良い教科書といえるでしょう。
他の多くの学問がそうであるように、経営戦略論はそれなりの期間で流行というか先端が更新されていきます。現段階ではこの本は先端といえますし、軌跡を辿るのにも丁度良い感じはします。そういった点で、マイケルポーターの本を読むよりは、こちらをお勧めします。
事業戦略よりは、全社戦略に重点が置かれている気はします。事業戦略について詳しく知りたいというのなら、もっと他にいい本はあるかもしれません。
読みやすく、図表が効果的に配置、RBVの基礎ならこれ1冊でOK!
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・ミンツバーグの『戦略サファリ』のように、図表で10学派に分けたが故に、初学者を混乱させる本もある。しかし、本書は初学者向きで、図表もわかりやすく説明されているので、他の戦略論とRBVとの関係が誠に分りやすい。・筆者は今主流の「RBVがこれで整理できた!」と感謝している本である。
・ぜひとも本書を手元に置かれてRBVを理解されては如何か、と思います。
戦略論の基礎をしっかり押さえています
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あまたの経営戦略を解説した書籍の中でも、かなりよくできているのではないでしょうか。帯に”マイケル・ポーター推賞”と書いてあるのもうなずける感じです。リソース(資源)ベースという考え方は、ハメル&プラハラードのコア・コンピタンスの考え方を踏襲したものと思います。
競争力の源泉であるコア・コンピタンスだけでなく、自社の経営資源のポートフォリオをとって、配置方法によって、企業戦略、事業戦略を立案するということだと考えます。
コラムの形で簡明な実例がはさまれており、理解が深めやすくなっています。
企業戦略、事業戦略の基礎をしっかり学ぶには良書であると思います。