昭和ガールズ歌謡 レアシングルコレクションは、これまでクラウン・東芝・キング・コロムビア4社が出しているが、ジャケットの作りも含めて、カラーの違いが見えて面白い。レアコレクションと銘打つだけあって、1955年生まれなのだが、記憶にない、あるいは聴いていない曲がかなり多い。また、曲自体は覚えていたのだが、曲名や歌手名がわからなかったのが、これらのCDで聴いて判明したものもいくつかあった。同年代の方は聴いてみて損はないだろう。

1.恋とシャム猫：須藤リカ　2.幸福よここまでおいで：三田佳子　3.カトレヤの悩み：城野ゆき　4.渚は蒼くて：青沙れみ　5.恋をしちゃった：ザ・ツイン　6.恋愛海岸：柳亜矢　7.アキラとタカシ：中田めぐみ　8.最後のわがまま：倍賞美津子　9.むらさきの京都：青山ミチ　10.恋算数：小椋ひろ子　11.暑い夏が悪い：キャシー中島　12.想い出の街ヨコハマ：小沢リリ　13.夜はエマニエル：吉井亜樹子　14.ためいき：天地総子　15.ボク女だぞ：松原愛　16.ロンリークリスマス：のこいのこ　17.本牧ディスコティック：牧陽子　18.花のCMガール：藤本房子　19.あぶない16才：鶴岡弥生　20.もうこれ以上は危険です…：栗原小巻　21.ステキなイニシャル：上野ひとみ　22.バギー野郎：エル・シャトル

　レア度最高！　と謳っているが、レア度は気にしなくても十分に素晴らしい作品群。冒頭、須藤リカ「恋とシャム猫」が、タイトル通り猫なで声を交えながら、しっかりとした歌唱で聴かせる。「幸せよここまでおいで」は歌っているのが三田佳子だと言われなければ気がつかない程のレアで貴重な音源、もちろん曲も素晴らしいのは言うまでもない。城野ゆき「カトレアの悩み」はナレーションが実に効果的な名曲。ここまで書いてきてこれだけ濃厚なので、とても楽しんで聴けること請け合い。
　ただ、牧陽子「本牧ディスコティック」は他のアンソロジーで取り上げられているので、その分埋もれた名曲を１曲でも入れてほしかった、このシリーズ最後なんだから…。
　ギターのシャッフルがファンキーなリズムを刻む青山ミチ「むらさきの京都」、透明でよく伸びるさわやかな歌唱の名曲・小椋ひろ子「恋算数」と…聴きどころを挙げればキリがない。ということで、当シリーズ、有終の美を飾るにふさわしい、強力なシングルコレクション。