クラウン・東芝・キング・コロムビア聴き比べ
★★★★☆
昭和ガールズ歌謡 レアシングルコレクションは、これまでクラウン・東芝・キング・コロムビア4社が出しているが、ジャケットの作りも含めて、カラーの違いが見えて面白い。レアコレクションと銘打つだけあって、1955年生まれなのだが、記憶にない、あるいは聴いていない曲がかなり多い。また、曲自体は覚えていたのだが、曲名や歌手名がわからなかったのが、これらのCDで聴いて判明したものもいくつかあった。同年代の方は聴いてみて損はないだろう。
1.素敵なマスコット:浅野順 2.スカで踊ろう:黒田ゆかり 3.ヤング ヤング ボレロ:柴山モモ子 4.ここにも同じ空がある:西尾三枝子 5.ラブ・ムーン:田中真規子 6.あなただけなのよ:奈里田町子 7.夜霧の青山通り:南弘子 8.あなたがほしいの:松平マリ子 9.ミッドナイト・コール:草間ルミ 10.恋のエピローグ:ザ・キュービッツ 11.水色の風:篠ヒロコ 12.ローマの恋のおくりもの:原田糸子 13.スキャンドール:朝丘雪路 14.いとしのキャティリオン:響かおる 15.ほんとは好きよ:水沢有美&ザ・シャドウズ 16.夜の足音:泉京子 17.かわいい涙:佐野ひろ子 18.夜明けの涙:八田富子 19.恋はいじわる:キャンディ・スー 20.おしゃべりな:須藤リカ 21.経験:城野ゆき 22.夢みる子猫ちゃん:柳亜矢 23.フルール・ダムール:ザ・ツイン 24.しあわせに狂って:中田めぐみ 25.裸足の週末:キャシー中島
じっくりと聴いて!
★★★★★
のっけからレアな楽曲、大橋巨泉夫人の『素敵なマスコット』で幕を開ける。奈里田町子「あなただけなのよ」は浜口庫之助が作詞作曲、コーラスにまで参加するという貴重な作品。絶妙なハーモニーが堪能できるザ・キューピッツの「恋のエピローグ」、篠ヒロコのデビュー曲「水色の風」など重要曲が目白押し。
ウィスパーボイスながら絡みつくような大人の色気が滲み出る朝丘雪路の名曲「スキャンドール」は本盤の目玉。続いて、タイトルにある響かおる「いとしのキャティリオン」も傑作。さらには、裏の「経験」とも言える城野ゆきの「経験」、途中挿入される彼女自身の台詞も味があって捨てがたい名曲。ラストはキャシー中島のイカしたロックンロール歌謡「裸足の週末」。
全てがじっくりと聴くにはうってつけの、まさに鑑賞用として最高のものばかり。じっくりと聴かせる歌を歌う歌手がいなくなったと嘆くのは私ばかりではあるまい。そんな貴方にオススメの一枚。
それにしても、この時代の歌手、みんな歌がうまい。そこに注目して聴いてみると、いっそうこの作品群を楽しめる。楽しんで聴いていただきたい。