洗練された包括的なテキストで、現代心理学の動的な性質を最新の流れを踏まえた新鮮な見方で概観する。著者は心理学の基礎に強固な基盤を打ち立て、今日もっとも革新的で新生面を開く研究を示している。著者は、心理学の世界に新しい領域を切り開く業績をなしとげた現役の研究者である。心理学研究の顕著な到達点についての議論をめぐる興味深いテキストから、学生たちは最先端の研究者の視点から心理学を発見する喜びを感じられる。また、現代心理学において熱い論争を呼んでいる問題について、代表的な識者の議論も紹介している。教育的配慮から、それぞれの実験は詳細までていねいに説明されていて、結果の理解を助ける図表も収録されている。このテキストには、心理学の課題についての見方を変えつつある潮流である生物学の解説も含まれて、さらに生物進化論の研究も扱っている。こうした解説は維持しながら、新版の教育学的構造は、批評家の意見に応えて改善されている。改善点としては、すべての章を通して中核的概念（重要用語）を充実させ、中核的概念をテキスト内で定義するとともに、主なセクションの最後に暫定的な要約とまとめを行ない、学生の内容理解を試す批判的思考の質問や、重要なテーマをひとつの表に整理した概念の概説表を取り入れている。このほか、章のはじまりの導入部やジェンダーと文化間の相違に関する詳細にわたる解説も新たに加えられた。