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遊学〈2〉 (中公文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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雑誌編集者のオデッセイ ★★★★☆
B5版ながら辞書と見紛う分厚い本である。この本を買い求めたのは、随分むかし、発刊から間もない1986年12月のクリスマスの日であったのでよく覚えている。しかし、肝心の書店は、バブル後の過酷な社会状況に耐えられず、つぶれて仕舞っている。この本に出てくる英哲の長い歴史を思えば、我々を取り巻くメッキ的繁栄とは裏腹に、日本国の社会文化や政治理念の貧しさを一層感じ無い訳にはいかない。
副題に142人のノマドロジーとあるが、このアンソロジーは、雑誌「遊」に掲載された評伝的文が元と成っているらしい。それにしても142人は凄まじいパンチである。そこにはギリシァから古代インド、中国、東洋思想の高峰が取り上げられ、西欧キリスト教の神秘主義者たち近代に至っては芸術家や物理学者,禅の高僧が取り上げられている。人類史の中で著者の好みに合う特徴ある思想家、芸術家、宗教家が俎上に上げられ解説を加えられていて、少し物足りない解説もあるが、概ね気の利いたアンソロジーと云えよう。俎上に上げられた人物達の、オリジナルな著書を、読む切っ掛けになる本であり、また、こういう本は若い内に基礎的教養、或いは思索的作業の展望として、刺激として読む本だ。若い人は、ここに取り上げられた英哲の原著に思い切って挑戦してみる事も必要なのではなかろうか。