ままならない
★★★★☆
17の短編から構成されており、それぞれミゲルストリートの住人についてかかれている。
各章でピックアップされる人物たちは、必死に自分を保とうとする。しかしほとんどの住民はそれに失敗してしまう。
名前のないものばかり作る大工初期は自分の思うままに生きている。しかし、紆余曲折を経て刑務所に入り出て来る。その後まともなものを作るようになってしまう。主人公の少年の目にはそれが悲しく映る。事実悲しいのだと思う。
すべてがこんな話の小説だ。それを温かい目線で描いている。
最後に訳者の力も大きいと思う。発表から45年以上たっているのに砕けた文章でわかりやすい。(本文中にはカリブ海英語と標準英語がでてくるらしい)