1968年4月、死刑囚ら31人の重犯罪者たちが無人島のシルミ島に送られた。そこで彼らは刑の帳消しと引き換えに、北朝鮮の最高指導者・金日成の暗殺を命じられ、極秘の暗殺部隊へと成長していく。だが政府の外交政策の転換で暗殺計画は中止。しかも政府はこの部隊の抹殺を軍に命じるのだった…。
実在した684部隊が起こした衝撃の事件をもとに作られたこの映画は、見ているだけで鼻息が荒くなるほどの怒りに突き動かされる。お国の方針変換で祖国統一のための英雄から、まるでゴミくずの扱いへと変わる兵士たち。その姿があまりにも痛々しい。いつの世も犠牲になるのは末端の人間なのだ。この映画は、上司の一言で簡単にリストラされ、政治家の判断ひとつで戦争に突入しかねない現代に、まさにピッタリの文字通りの問題作だといえる。(横森 文)
もっと知りたい。「あの国」の歴史。
★★★★☆
カタカナの「シルミド」という題名からは、韓式の娯楽アクションとしか思えなかったのですが、実際に見てみると、そういう期待は裏切られます。結末のなんと重いこと!
韓国という国が軍国政治体制から民主化への道を歩む為には、こういう「回り道」もあったのだなあ。そう思いました。メイキング映像部分で監督がいっていたように、韓国アイドルはだれも出てきません。それがまたこの映画のリアリティを高めているのでしょうか。隣国朝鮮に興味をもったのでもう一本『光州〜』は先に買ってあったのですが、『シルミド』を見てしまったら、なにやら怖くてみる気がしなくなりました。難をいえば、事件の顛末、誰が生き残って、死刑になるまでに、どういうことがあったのかを知りたいところですが、ドキュメンタリーではないのでそこをあっさりエンディングもやむを得ないかというところですね。おまけ映像も付いて見ごたえのある作品です。
ドキドキする
★★★★★
先の読めない展開
ネタバレになるので書きませんが(今更ネタバレも何もないとは思いますが)
久方ぶりに映画でドキドキしてしまいました
そして何よりも驚いたのはこの映画は実際にあった事なのです
そう昔でない1960年代に日本から非常に近い韓国での出来事
陳腐ですが見終わった後に平和な日本に生まれたことを感謝しました
大韓民国、マンセー
★★★★★
私が好きなシーン、そして語り継ぎたいシーンが、あの雨の中「国境のない平和な国で暮らすことができる。大韓民国、万歳」のあのシーンです。決して喜びのうちに出撃するわけではない、決して国民に認められた役割ではない。それを知っているから、あの(何て言うのか)リーダー(万歳をする人)の表情も悲哀に満ちているのですよね。そしてあの万歳も、あきらめ、悲哀、決意(悲しい決意)のうちに送り出さなきゃならない運命を悟ってのものとしか解釈できないんです。
一度は命を捨てた者たち。そして自ら命を落とす者たち。「死ぬ気になれば何でもできる、今死ぬのは待て」とは『ひめゆりの塔』の先生の弁でしたが、これほどまでに死を背負って命を懸けた人間が、隣国にいるんですよね。
今の日本ってどうなんだろう。「日本、万歳」って言える人、いるのかな。
泣いた…
★★★★★
怖い話かと思ったけど、最終的には泣いた。
始めはぶつかり合っていた関係も友情に変わるところが、好きです。でも、今となっては悲しい…。
だから、怖い話どころか、とても切ないお話だと思いました。
そしてなにより、この部隊が本当に存在したなんて驚きです。
歴史って切ないし、残酷だなぁと痛感。
おすすめ韓国映画
★★★★★
やつばり金日成暗殺部隊はあったのねー。
国家の方針が変わったから、そんな部隊は無かったことにしよう、ということで、隊員全員に暗殺命令が下されてしまう、というキツくてヘビーな作品。ほぼ史実。
その隊員たちを暗殺するにしても、一人一人に指導していた上官の隊員に命令が下りるんです。性格や気心がわかっているから実行しやすいだろう、ってことで。もぉーかんべんしてえ。
日本では無名の俳優さんたちばかりだけれど、とても見ごたえのある作品でした。
隊長を演じていた年配の俳優さん、アラハンでも武術の師匠役で出演していました。かっこいいなー。こういう爺さん見ると、若くて綺麗なのが何だってんだあーっ。と叫びたくなりますね。勿論、若い俳優さんたちもすごい熱演していますよー。
私たち日本人は、この作品をじーっくり見て幸せを噛みしめましょう。ほんと。