1〜3章へ繋がり始める巻
★★★★★
この巻の主な見どころは、2つ。
ベルジの複雑な心境の描写と、彼のクロイツが使用するある魔法である。
前者についてだが、ベルジはロボットと戦うため、マジェンガへ旅立つ。
しかし、その決心に際して、彼の心中は複雑だった。
友の仇討ち、世界の人々のため、そして彼の中の「ロボットを破壊したい」という強烈な欲求を満たすため。
この辺りのベルジの心境の描き方が、なかなかうまい。
後者について。
船旅の途中、一行はロボットの襲撃を受けるわけだが、そのときクロイツが使用する魔法は、ファンおなじみのアレ。
今作が、1〜3章の繋がりを明らかに意識しているのが分かるワンシーンである。
なお、マテリアル・パズルを読んだことがない人は、ゼロ・クロイツからでも構わないが、やはり以下の順序で読んだ方が良いかもしれない。
1.「マテリアル・パズル」1〜20巻
(2・「彩光少年」1、2巻)
3・「ゼロ・クロイツ」1巻〜
あえて多くは語らない
★★★★★
マテリアル・パズル待望の過去編、ゼロクロイツ二巻である。
内容については多くは説明しないが、原作ファンとしては素晴らしい、の一言に尽きる。確かに、作画や台詞などにおいて若干疑問点は掲げられるが、それでも内容の素晴らしさは文句のないものである。
この巻から、本格的に1〜4章とリンクし始める。だが、まさかこんな点から繋がるなどとは思いもしなかった。「あの」シーンを見たときには、鳥肌が立ってしまったほどである。
一巻を持っているなら買うべきだ。いわんや、原作ファンならである。
「―必ず 俺が守るから―」
★★★★★
謎に包まれた「鉄身の巨人」ロボットが世界を破滅に導こうとする時代。
世界一の大国マジェンガでは、
自身もクロイツを使い「女神」と崇められるミトを中心として、
人類がロボットに対抗しうる唯一の手段である「クロイツ」とその融合適合者を捜し求めていた。
(同時に、襲撃される可能性のある他国へも調査や救援部隊を派遣している。)
―あれから半年、ポッカ島からマジェンガへ向けて、ベルジ達一行は旅立つ。
「魔王の骨」を乗せて。
途中、漂流中の二人組を発見、クリムの進言により助けられた彼らは実は海賊だった。
クリムを人質に船を乗っ取ろうとするが、ベルジ達3人があっさり撃退。
しかし、ふたりは「アジトを巨大な鉄でできた人型の化物に壊滅させられた」という―。
次の瞬間、彼らを追って現れたのは…!
巨大船ブルーメンシュトラオス号の装備で2体のロボットを倒したものの、
それは戦いの序章に過ぎなかった。
アップル博士、ジョッシュらの協力を得て、
ベルジは再び自らの血と肉と魂を魔王の骨に捧げ、クロイツに「存在変換」する。
人類の抹殺を目的とする高機動型ロボットの襲来。
ロボットの砲撃を受け海中に落とされたベルジは、クロイツの力を使いこなせない―。
「わかるよ… お前にはすごい力がある でも バラバラになってて… 使えないんだ…
これを ひとつにすれば すごい力が出せるのに…… 新たな力が生まれるのに……!!!」
そのとき、本能的にベルジは叫んだ。
「マテリアル・パズル!!」その名は―。
ファン必見の「あの」魔法が発動する!!
「遠い昔に誰かが編み出した」魔法はこの瞬間、誕生した。
その力ゆえに「4体目のクロイツ」にアップルが付けた名前は、
『フェーダードライ』
―大迫力の海上バトルを見逃すな!!
注:この作品は『マテリアル・パズル』を全く知らなくても読めますが、
ファンには嬉しい様々な小ネタも満載です。
追記:ドイツ語に詳しい方なら、『彩光少年』の設定資料を見た時点で
色々と予想がついたかとも思われますが…?
あと「4体目」は間違いではないです。買って見てください。
おまけ:シュウガは実は左利き。