他人のうそにどう向き合うか…
★★★★☆
新ゲーム理論を身近な問題に置き換えて、
説明が為されているので面白い。
公共財ゲームにおけるただ乗りを防ぐには、
・ルールを変え、因果応報を思い知らせる
・処罰を与える
だそうだ…
例えばですが、
会社生活でも遅刻や経費誤魔化しなどの
ルール違反を見逃していると、
皆始めるようになり大変なことに…
『いかにして猫に鈴をつけるか』は、
権力を振り回す人に異を唱えることの無力さ…
『何もしないで傍観することが有利』という解説が為されていて、
これまでの会社生活等を思い出し苦笑い(笑)…だった
さらに、『ヒラメ型人間』の話では、
裸の王様のような上司をつくり上げてしまうのは、部下にも責任がある!
は、前述部分と合わせて成程…という感じ。
第6章では、
・ベストセラーを生むカスケード現象
・裸の王様と沈黙の螺旋
辺りに注目か…
このシリーズの傾向なのか?
興味深い話題なのに、単調に進行していくところが、とても残念…
たいして 先読みしてない
★★☆☆☆
ゲーム理論の超絶簡単入門書
相場を美人投票に例えたケインズを題材として、
実際に行われた“読み合い”実験の結果が興味深い。
ゲーム理論の入り口!?
★★★★☆
まず、タイトルが興味をそそる。
なにこれ?という感じである。
「一番やさしい」新ゲーム理論 入門書ということで手にとってみた。
結論から言うと、タイトル通り「一番やさしい入門書」であると思う。
この本は、ゲーム理論に興味はあるけどとっつきにくいなぁと思っている人にお勧めである。
全てのページに分かりやすい挿絵があり、文章の理解を助けてくれた。
取り上げているトピックも面白く、学問と現実のつながりを具体的にイメージすることができた。
また、さまざまな研究者の見解も盛り込まれていて、いろいろな考えにアクセスすることができる。参考文献&推薦図書として挙げている本もおもしろい本が多く、著者のセンスを感じる。
最後に、うそつきは得をするのか・・・
得をするかどうかは、うそに対する周りの対処次第ということらしい。
うそつきが得をする社会、うそつきが損をする社会、私たちの心持ち次第で、どちらにも転び得るということだろう。
かけひき
★★★★★
本書は、人間関係をゲーム理論に基づいて分析している。
読み進めると、様々な人間関係からゲーム理論の入門、そして、その応用へと段階的に人間関係のついて理解することができる構成になっている。
序盤では身近な話題から社会生活まで様々な人間関係について多彩な図を使いながら解説し、中盤でそれらを理解するためにゲーム理論を導入している。ゲーム理論入門の章では初心者にも分かりやすくゲーム理論について解説するとともに、人間関係を記述している利得行列の与え方によって様々な人間関係を表すことができ応用範囲の広さを伺い知ることができる。終盤では、近年研究されることが多い繰り返しゲームを取り上げている。生物の進化や人間関係や社会の変化などを例に繰り返しゲームについて解説し、最後に本書のタイトルであるうそつきは得をするのかという問題を理論的に導き出している。
普段は直感的に行っている行動をゲーム理論を用いて理論的に解き明かすことができ、繰り返しゲームという長期的な観点から人間関係を考察することができ興味深い。
友人関係から社会現象まで、ゲーム理論で読みとく本
★★★★★
友人関係、商売、国家間の外交など
我々の社会には協調・対立などの戦略を必要とする様々なかけひきが存在するが、
本書はゲーム理論に基づき、そのような「社会ゲーム」を巧妙に説明し、
具体的な戦術について言及している。
それぞれのケースについて、身近な例が多々挙げられているのでわかりやすく、
専門書にいきなり手をつけるのに抵抗がある人にとって、
ゲーム理論の概念を理解する上で良い入門書となるであろう。
また一通りゲーム理論を学習した人にとっても
この分野における専門用語や業績も適度に紹介されているので、
学習の再確認にちょうど良い一冊である。
昨今の年金問題、相次ぐ企業による偽装などの事象が起こりうるメカニズムの解説や、
どのような戦略が今後良いのか、という説明も述べられているので、
時世に合った新書とも言える。
この本を読んで、ゲーム理論に対してさらに興味を持った方には
同著者による『戦略的意思決定』や『ゲーム理論と進化ダイナミクス』
などの本をお勧めしたい。