巨匠の風格あふれる作品
★★★★★
このアルバムは、ドラマーのマルコ・ミネマンが叩いたソロドラムのパートを複数のミュージシャンに渡して、それぞれが曲を作り上げると行った企画の中の一枚。そのトレイ・ガンのバージョンは、長年プログレ界で活動してきた彼らしいセンスのあふれる一枚となっている。もう一方のアレックス・マクヘイサック(g)のバージョンは、若々しい才能あふれるミュージシャンが、ザッパやホールズワースの影響も感じさせながらドラムに忠実にシンクロする形での作品となっているが、こちらは、ドラムのリズムをいかに拡張していくか、いかに別のリズムの一部として組み込むかという手法をとっており、それがクラシカルなプログレだったり、民族音楽だったり、ジャズとロックの融合であったりという風に展開している。個人的には、音楽的に多ジャンルを飛び越えているトレイ・ガンのバージョンを聴く事が多くなりそう。マイク・ケネリーのバージョンもはやく聴きたい。