BJの煌きの諸相:やはり笑える
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ここのところ、鉄腕アトムの「PLUTO」や魔神ガロンの「魔神王ガロン」、そしてブラックジャックそのものと、手塚作品を「原作」とした多くの作品が上梓されているが、これはブラックジャックへのオマージュともいうべき作品集。全2巻の収録作のうちでは、ブラックジャックと「エロイカ」の面々の競演など、それだけで楽しいし、北見けんいち氏やきくち正太氏など、とんでもない組み合わせのBJが結構読ませる。永井豪氏はガロンでやりたいことをもう十分やっているのか、カーテンコール的な役割に徹しているようだ。いろいろな漫画家の眼に映ったブラックジャックのきらめきを、それぞれマンガの形に昇華させていることが、やはり手塚治虫の偉大さを示しているのであろう。だけど、とにかく手塚ファンにとっては何より「笑える」一冊。