文章全体から一途に漱石を慕う様子がにじみでていてなんとも可愛らしい。宇宙人のような不思議な文体をもっている百間先生の作品とはすこし違い親しみやすい仕上がりになっている。
尊敬する漱石のまねをしたり,漱石の悪口をいわれるとくやしがったり,あまりに正直で純粋な百けん先生を漱石が可愛がったのもうなずける。昔の文士の愛らしさ溢れる文学ファンにはたまらない1冊。