どう思考しているかはマインドマップを書かせるとわかる by最首英裕
★★★☆☆
仕事上の必要があって、マインドマップ関連の本を10冊程度あたったなかの一冊。
マインドマップをビジネスに応用してみよう、という趣向である。
テンプレートとしては、同じ中野氏の「マインドマップ図解術」よりは少しマシで、たとえば中心課題を「仕事」としたときのBOIは「背景」「目的」「納期」「コスト」「品質」と半構造(無構造と構造化の中間)的である。
しかし時間管理(=仕事をこなしていく順序、進み具合のチェック)への応用では、単に完成予定日を書いておく、というだけで、これだけではちょっと複雑な並行タスクになるとクリティカルパスがわからなくなってしまい、単なる個人の作業メモ以上のものではない。
マインドマップのビジネスへの応用は、無構造の自然言語と、完全に構造化された計画のちょうど中間に位置するもの、という平鍋健児氏(『ソフトウェア開発に役立つマインドマップ』,日経BP)の理解がもっともしっくりくる。
巻末に最首英裕氏の対談があるが、最首氏のアプローチは、本来のマインドマップの特性を上手に残して、ビジネスに活用していると感じた。この部分だけはおおいに参考になった。