脳みその箸休め
★★★★☆
脳みその箸休め代わりに最適な一冊。
何気なく暇つぶしに読んでいたらどんどん面白くなってしまった。
シンデレラに類する話に始まり、ごま塩はげの男の話などどれも面白かったが、わきくさに関する考察が一番衝撃的。
かねてから、西洋と東洋の人の匂いや香に対する耐性と態度の違いは、やはりバター文化としょう油文化の違いと同じくらい溝が深く、古いものであるのではと気になっていただけにとても興味深かった。
西洋のわきくさ賛歌文化と対照的な東洋のわきくさ嫌悪文化。わかりあうのはやはり難しいようだ。
金関の筆は興味と時間そして文献のある限り、誰もがひっそり気になっていてもいまいち正面から向かい憎い文化や風習のトピックを縦断に検証していく。その柔軟さは、あまりにも細分化された研究が主流の現代では成しえない偉業だ。