癒されます!!!
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日本人にとっての癒しシリーズである「茶をたのしむ」に続いて「花をたのしむ」。殺伐たる現代だからこそ、こころの癒しは大切です。そんな心のごちそう「花」についてまつわる様々なエピソードが大変面白いです。中でも、星の王子様とバラのエピソード、ユダヤ人収容所に咲く花のエピソード、バラを愛する西洋人と桜を愛する日本人のエピソードなどなど、花の持つ深い意味にはっとさせられます。心から癒され、優しい気持ちになれる本です。疲れているあなたにお勧めです!!
「花」は最高の贈り物
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現在私は主に、お葬儀の新しい祭壇、道具のデザイン、花器、照明、幕などのご提案や花屋さん(特に葬儀関係)に、スキル、マナーなどのコンサルティング、それにかかわる、消耗品などの販売をしているのですが、この会社を立ち上げるまでは、お葬儀専門(一部冠婚)の花屋で15年以上「花」を生業としてきましたが、この本を読んで今まで「花」そのものの持つ力を深く掘り下げて考ようなど思いつきもしない事でした。
ただ私なりに「祭壇」と「花」の関係や、いかにこの「花」を美しく見せるにはどうすればよいのかと言う自論はありました。それは「祭壇」に対する「花」はあくまで、「刺身のつま」と考えていました。
白い皿の上に、切った刺身だけを載せていても、決して美味しそうには見えません。そこに大根のけんや大葉、菊の花のあしらえがあってこそ刺身がより美しくまた美味しそうに映るのだと思います。「祭壇」にとって「花」とは刺身のつまの存在であると考えています。
これは花器に対する花や絵に対する額縁などと同じで、お互いにギリギリのせめぎ合いをしながら決してどちらかが勝ちすぎても負けすぎても駄目だと言う緊張感が、互いを引き立てあい1+1=2ではなく1+1=3になるのではと考えています。
また「花」を美しく見せると言うのは「花」一本一本の一番いい顔を、ちゃんと見えるように挿してあげる事でないかと考えています。
それはこの世に咲いてきた中で最後の晴れ舞台で誰かの陰に隠れて少ししか見えないのは、花にとって大変失礼な事だと考えているからです。
また「この子」(花)は何処に挿せば生き生きとし、その花の存在感を発揮できるかは、花を挿す人の責任であると考えています。だからこそ「花」に対しての「観察力」や「思いやり」が大切なんだと思っています。
この本にも書かれていたように「花」は「いのち」のシンボルというのは大発見でした。
また花束の箇所で書かれていたデザインの重要性が必要になると私も感じました。デザインする事により、花一本づつの特徴や個性が引き立ち、それぞれの花が輝きを増すのだから。
最後に「月の広場」と言う葬送空間について私も「空間設計」の仕事に携わっている者として、「やるなー」と思いました。
これは負けていられない、知識を勉強!
私もいつの日にか「月の広場」のような祭壇、花、道具、照明、幕などを取り入れた新しい葬儀空間、空間演出を作り上げるぞ〜!
花を通して得られるもの
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まずぱっと華やかな表紙に目を奪われました。花についての本ということで、可愛らしいフラワーアレンジメントの本かと思いましたが、帯には「花は魂のごちそう。心の万能薬」との文字が。
読んでみると、花にまつわる歴史や、人と花の密接なつながりなどの、なるほど!と思う内容があり、かと思えば花言葉や、絵本の中の花の小話など、可愛らしくて微笑ましい内容も書かれており、一気に読んでしまいます。
また、この本の中で私が最も良いなと思ったのは、「花を贈るのは思いやりの心を贈るということ」という一節です。著者は花を通しての思いやりや、癒しということを本書全体に散りばめていて、読み終わった後に、清涼感と、普段は花を贈らない自分ですが、花を贈ってみたいという柔らかな気持ちを与えてくれます。
花を通して、どこか元気で楽しい気持ちと、優しさを与えてくれる一作だと思いました。
花は「思いやり」そのもの
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『花』というのは自分から遠く、近づき難い存在でした。ただ、そのような存在だったのは、自分の中で花の持つ力の大きさをすでに感じていたからだと思います。
今回、本のタイトルに「たのしむ」というやわらかい表現があったので、少し勇気を出して、自分から花に近づいてみようと思い読んでみました。
最近、自宅の中や玄関先などに花が増え始めました。毎年この時期に咲く花の他に、家族が少しずつ増やしています。この本を読んで、家族という小さい世界ですが、花を贈るという行為は少なくても、花についての会話をお互いに送り合うことで、家族に対する「思いやり」を表現できているように感じ、心が豊かになったような気がします。
この本には、人間関係を良くする他にも、花の持つ多くの力が分かりやすく書かれています。そして何よりも、花は難しいものではなく、「たのしむ」ことができるものなのだと、心から気付かせてくれる一冊です。
花のバイブル
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私は、花業界に入って26年になるものですがなかなか、花の歴史を詳細に又わかりやすく書いた本が有りませんでした。仕事上ソフト的なものは出来ますが、知識的なハードの部分はあまり分かってない感じでした。もちろん多くの花業界の人々も同じだと思います。この「花をたのしむ」を読んでまさにこれだと感じています。
日本人の心の中にある桜のつながりなぜ好きなのか、西洋人のバラに対する想いやなど歴史の中からやっと理解しました。
歴史の中の花、時代の中で花の役割・・・・いつの時代でも癒しの対象だと
痛感いたしました。
花のある空間についてもそうです。床の間についても昔からある物について何の不思議もなく花があって当たり前的な感じがありましたし無くてはいけないとも感じていました。侘びさびの世界の一面も理解が出来 やっと繋がった感じです。
あの世への想いなどはその典型ではないかと思います。まだ見ぬ不安や美しい花々が咲き乱れるような天国への憧れなどです。花を眺める 見つめる 美しさの中に引き込まれる時間・空間こそが「魂のごちそう」に繋がるのではないかと感銘を受けました。
歴史上の人たちのDNAの中に花への想いがあり記憶されそれが世界中の人々に受け継がれ又続いていると感じられました。
桜・バラ名を通じて歴史背景や人とのつながり心の動き、花のもたらす関係を書き表し実に興味深く又楽しむことが出来ました。
この本は、一条さんの花の楽しみ方の本だけでなく花業界にとっても
「花のバイブル」的な一冊ではないかと思います。