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蛇にピアス

価格: ¥1,296
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社
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   ピアッシングや刺青などの身体改造を題材に、現代の若者の心に潜む不気味な影と深い悲しみを、大胆な筆致で捉えた問題作である。埋め込んだピアスのサイズを大きくしていきながら、徐々に舌を裂いていくスプリットタン、背中一面に施される刺青、SM的なセックスシーン。迫力に満ちた描写の一方で、それを他人ごとのように冷めた視線で眺めている主人公の姿が印象的だ。第130回芥川賞受賞作品。

   顔面にピアスを刺し、龍の刺青を入れたパンク男、アマと知り合った19歳のルイ。アマの二股の舌に興味を抱いたルイは、シバという男の店で、躊躇(ちゅうちょ)なく自分の舌にもピアスを入れる。それを期に、何かに押されるかのように身体改造へとのめり込み、シバとも関係を持つルイ。たが、過去にアマが殴り倒したチンピラの死亡記事を見つけたことで、ルイは言いようのない不安に襲われはじめる。

   本書を読み進めるのは、ある意味、苦痛を伴う行為だ。身体改造という自虐的な行動を通じて、肉体の痛み、ひいては精神の痛みを喚起させる筆力に、読み手は圧倒されるに違いない。自らの血を流すことを忌避し、それゆえに他者の痛みに対する想像力を欠落しつつある現代社会において、本書の果たす文学的役割は、特筆に価するものといえよう。弱冠20歳での芥川賞受賞、若者の過激な生態や風俗といった派手な要素に目を奪われがちではあるが、「未来にも、刺青にも、スプリットタンにも、意味なんてない」と言い切るルイの言葉から垣間見えるのは、真正面から文学と向き合おうとする真摯なまでの著者の姿である。(中島正敏)

映画とセリフが同じなんだ ★★★☆☆
DVDで観たあと、興味がわいたので本のほうも読んでみました。
おおっ、映画とかなり同じ!と思いました。
『告白』という映画も、本とかなり似ていましたが、これもそうですね。
監督が、作者にかなりの敬意を払っているのかもしれません。
驚かされるのは、セリフが、実際に吉高なんとかさんが発しているとき、とても自然だったことです。
つまり作者はそれだけ、リアルの世界で普段どおりに使われている言葉を使っていることです。
その意味からすれば、やはり若いってすばらしいな。すごいな、と思います。
しかし、肝心の中身は……まあ、たいしたことがない。
大の大人が「良かったね」と言ってやるほどの作品ではないし、ましてや賞とかに値するものでもないと思います。
DVDは、一緒にいた人と「バカだね、この女」「うわ、痛っ」「きもっ」とか言いながら観てたんですが、さすがに本は、DVDをなぞっただけの内容だけあり(もちろん、本のほうが先に書かれているのですが)、痛いとか、バカじゃねーのとか、気持ちわりーといった、新鮮な感情もなく、ただ淡々と、二、三時間で読めてしまいました。
興味本位で、同じ著者の別の本も読んでみるかもしれませんが、まあ、あまり期待はしていません。
芥川賞に相当だと思う ★★★★☆
内容は別に衝撃でも何でもない。
身体改造もタトゥーも、今更珍しくもないし。

ストーリーは好きです。
頭のネジの緩い若者たちが迷走の果てに
人間の醜さをパーッと咲かせちゃう害悪さ。
糞下らんですね。その糞みたいな展開が良い。

世の中のアングラってものは
「ここではないどこか」を求める愚か者が
こうして生み出しているんだぞ、という一種のケースです。

何より、金原さん自身がそういう愚か者であり、
それを稚拙な文章で書き殴っちゃった。
それこそ、芥川賞に相当する大きな理由でしょう。

なんという虚無の世界だ。
お陰で幸福とは何か、よーく分かったぜ。
という読後感です。
好きですよ。
感性で感じ取る作品 ★★★☆☆
 私がこの作品を手にしたのは、作者の金原ひとみさんが、ヤング・アダルト小説の翻訳で有名な金原瑞人氏の娘さんと知ったからだ。金原瑞人氏の翻訳小説はけっこう読んでいて、金原瑞人氏は私が気に入っている翻訳家のひとりなので、その娘さんが書いた作品はどんなものかと興味が湧いた。もちろん第130回の芥川賞を、『蹴りたい背中』の綿矢りささんとダブル受賞したこともきっかけになった。
 読んでみて、なかなか難しい作品だと感じた。ここには、スプリットタンなどの身体加工や、アブノーマルなセックスや、殺人や死への願望が描かれているが、正直に言ってこの作品のよさを私はあまり理解できていないと思う。おそらく本書は、理性で理解しようとするよりも、感性で共感する、感じ取る作品なのだろう。
ま、いいんじゃないの? ★★★☆☆
可もなく不可もなく、といった感じです。バイオレンスとか病んでいると書いてありますが、私は個人の趣味かと思っていました。
文はまあ上手い方かと。読みやすかったです。
『アッシュベイビー』は立ち読みして、買う気はしませんでしたが……。
文学にカテゴライズされたら悲しい ★☆☆☆☆
DVDから入って納得できなかったので、じゃあ原作読もうと図書館で借りてきました。読み終えると、やっぱり納得できない。表紙を眺めてみたり持ち上げていろんな角度から見直して見たんですけど、なんも変化なし。(何か出てくるわけじゃないけども笑)
うーーーーん。
芥川賞受賞?ほんとに?
スプリットタンとかSMとか、現代社会を生きる若者像を書くにしても、もう少し作者の想いじゃないけど、考えというか、伝えたいものを書いてほしかった。終始さらっとしていて、乾いた砂をなぞってるだけのようでした。砂の奥底にある水が見えてこないというか。結局この作品を通して何がいいたかったの?ていうがループしました。
現代社会に生きる若者が病んでるっていうにしても、当の主人公のルイ自身についてさえ詳細に描かれてないし、スプリットタンやSMの作者なりの世界観も書かれてない。アマの事件についてもすべて流れちゃってるし、シバさんの心理描写の変化も読んでいてまったくついていけない。最後らへんとかもうナナのヤス?!って思ってしまうほど。(多分DVDを先に見たせいだと思いますが)もうすべて丸投げした感が否めない。もしわざとそういう技法を使ってるのだとしても、読み手に任せすぎてると感じました。