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高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

価格: ¥798
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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ユーモアを解した一番よい翻訳です ★★★★★
岩波文庫版、河出文庫版、新潮文庫版の三つの翻訳では、岩波文庫版の翻訳が一番よいと思います。理由は、場面や会話の暖かいおかしさを日本語にうまく移してあるからです。第1章での例を挙げます。

岩波文庫版:ベネット氏は、それには返事をしなかった。「あなたは、誰がはいったか、知りたくはないんですか?」と、婦人はじれったそうに叫んだ。「お前のほうで話したいんだろう。聞く分には、別に反対はしないよ」 これは、十分に誘いの水であった。
河出文庫版:ベナット氏は、返事をしなかった。「どんな人が借り手なのか、聞きたくはありませんの?」と妻はじれったそうに声をあげた。「あなたは話したいのだろうね。聞くことには異存はありません」 気を引くには、それで充分だった。
新潮社版:ミスター・ベネットは答えない。「あなたったら、借り手が誰だか、お聞きになりたくないんですの?」奥様のほうは、じりじりしてきて、声が高くなる。「お前のほうこそ話したいんだろう? むろん聞く分には少しも異存はないがね」 待ってました、というところだ。

私は、岩波文庫版に軍配を上げます。このような面白みの表現の差は、随所にあります。
加えて、河出文庫版では、父親が娘に話すときに「あなた」と言うのが不自然です(岩波文庫版と新潮文庫版では、「お前」)。また、新潮文庫版では、「ミスター」、「ミセス」と表記してあるのがうるさいです(岩波文庫版と河出文庫版では、それぞれ「氏」「夫人」)。
翻訳が酷い ★☆☆☆☆
 直訳調の文体が酷い。原作の味が全く生きておらず、翻訳ソフトにかけた英文をそのまま読んでいるかのようだ。
 助詞や句読点、主語など表現のところでつっかかり、読んでいて消耗する文体だ。他の訳者の訳を読まれることをお勧めする。
長さに臆することなかれ ★★★★★
有名な話だけに、読む前からストーリーは知っていたが、
気楽に読もうと思うにも、単行本で上下巻という長編!
でも、ハッピーエンドが好きな私には、尻込みをしていたとは
思えないほど一度読み始めたらあっという間。
作品の時代、イギリス女性の地位、生活様式等想像するには楽しい描写と、
映画化するにはもってこいのドタバタ劇が繰り広げられる。
気楽に安心して楽しく読みたい人には、非常にお勧め!
生き生きしている輝き ★★★★★
 登場人物の生命力というか、生き生きと血脈が流れていることを実感できる人間らしさの描写がすばらしいです。
 一人一人の個性が書き分けられていることはもちろん、その性格にあった生活ぶりも楽しく感じます。作者が生きた時代背景などはほとんど省かれているのに、その当時のモラルが、会話の中に出てくるので、うるさくなく読めます。
 ただ、情景描写が少ないので、文章のテンポがよい反面、たくさん出てくるお屋敷が、どれくらいの造りだったのか、周りの木々や草花はどういう色合いなのかが、全くの想像になってしまいます。そういう部分では、映画の映像がイメージに現実感を補ってくれたようにも感じますので、映画も見てみるとよいと思います。
哀しいジェーン・オースティン ★★★★★
この小説は確かに面白い。はじめの数ページだけ我慢すれば、あとは、どうなるかと先が気になって、引っ張られるようにして、終わりまで楽しく読み通せる。ハッピーエンドだから幸せな気分にもなれる。
しかし、考えてみれば、この時代の貴族・地主階級の女性は可哀相だった。女性は良い男に出会って、その男から結婚を申し込まれなければ結婚できない。そのために娘を持つ親たちは日ごとパーティを開き、招待客のなかの良い男性から娘が申し込まれるよう必死に願った。当時の様相がよく窺える。
主人公のエリザベスは21歳の作者本人の投影だったと思う。作者の詳伝を読んだわけでなく、勝手な憶測だが、田舎の牧師館の娘だった作者が、いかに賢かったにしても、そうそう理想の男性にめぐり会って結婚を申し込まれるチャンスは少なかったに違いない。若く年頃だった作者ジェーンは賢く美しい理想的な女性エリザベスを創造し、彼女を自分に見立て、自分の夢である、白馬の王子ダーシーとのシンデレラ物語を作り上げた。
勿論、文学的に極めてすぐれた作品であることに異論はない。登場人物の個性の見事な描き分け、心理描写の的確さ、自然で無理のない情景の推移など、絶妙である。だから、この作品は、いままで最高の評価をうけ、また人によって様々の受け取り方がなされてきた。
だけど、私としては、この作品を、若いジェーン・オースティンの、憧れを込めた白馬の王子と出会う夢の恋物語と考えたい。実生活では、作家としての名声を得たとは言え、独身のまま、比較的短い生涯を終えた彼女の心情を想い、彼女こそが、エリザベスのような幸せな結婚をすべきだったと、哀しくなるのである。