切ない...
★★★★★
かどわかされた娘を探す話です。
とにかく、切なかったです。
読んでいて途中から切なくて、悲しくて。
わずかなボタンの掛け違えがなかったら、
きっと違った”今日”があって、
みんなの幸せがあった。
でも、もう元には戻れない。
ボタンも戻せない。
取り返せない。
どうしようもない...
”きのう”に向かってしか生きられない時もあるけれど
人は強い。
時間はかかっても
”あす”に向かって生きていける、
そんな切なさと傷を負ったゆえのの強さに思わず泣いてしいました。
采女の老齢さに伊織の真っ直ぐな青さが良いです。
その対比というか、生き様の違いもお話の魅力だと思います。
話の筋は読んでいて途中からよめてくるんですが
それでもなお、飽きずに読めて
読後には切なさと、心の中にジンとするものが残りました。