珍しいくらいお粗末
★☆☆☆☆
この手の推理小説では半分くらい読んだところで「もしかしたら・・・」とか「・・・だとか」とか言ってこれからの展開を予想してするのが楽しみなのですが、ものの見事にその通りになってしまったのはこれが初めてです。
(つまり素人でも思いつくような展開だということ)
前作の「償い」といいどうしてこの人はこんなにそこの浅い小説しか書けないのか。もしそれしか物語を作れないとしてももう少し工夫するということができないのか。作者が何をテーマにしたいのか分からない。
小説家志望の方が「こんなのでもなれるんだ」という希望を持つには最適かもしれませんが、それ以上でもそれ以下でもありません。
できの悪い啓発ビデオを見せられたような気分になって読むだけ時間の無駄です。
哀しくも驚くべき真実?
★★☆☆☆
父親が痴漢の冤罪事件に巻き込まれ、10年後にわかる哀しくも驚くべき真実、と紹介されていますが、そんなものはありませんでした。実際の痴漢の事件であったパターンそのままでした。読む前にこのおちではないと思っていたのに、がっかりでした。
前半を読み終わり、これから主人公とその家族は、辛い人生を歩むだろうと思わせますが(実際そうでしたが)、後半の話からはその辛さをそんなに感じることができませんでした。
前半に活躍した妹は、あっけなく自殺してしまいますが、それが後半で生かされていません。主人公を助けてくれた大学生たちも、後半の鍵を握る女性も、中途半端な感じで感情移入できません。
何より、最後の婚約ですが、絶対ありえないと思います。