野性味溢れる男臭いHero役が似合うマックィーン主演作品の中で異色中の異色作がこれ
★★★★☆
マックィーンは孤高のHero役がとても似合っており、本人もそれを意識して出演作を選んだり、役を演じていたと言われています。
ですので、スティーブ・マックィーンの代表作と聞かれれば「大脱走」「ブリット」「ゲッタウェイ」といった作品のImageが強いでしょう。
そのマックィーンがSuper Starの階段を昇り詰めようとしていた頃に主演した作品がこれですが、
いつものマックィーンを期待すると肩透かしを食らいますし、洒落た邦題に騙されてもいけません。
しかしだからと言って、この作品がダメなのかと言うとそうではなく、マックィーンの新たなる魅力が十二分に発揮された作品となっています。
「長く熱い夜」のウィリアム・フォークナーの原作ですから、物語の舞台は南部ミシシッピー州の方田舎。
とある農場の使用人を演じるのがマックィーンですが、このCharaをマックィーンが中々巧妙に演じており、とっても良いんですねぇ。
農場主のBossの孫と親友の黒人(Bossの親戚でもある)との小旅行が物語の骨格で、Road Movieの趣も感じられ、
全編にマックィーン主演作とは思えない仄々とした雰囲気が漂っています。
この小旅行の交通手段が黄色い高級自動車、ウィントン・フライヤーなんですが、車がStoryの重要な要素になっている点は
流石、自動車好きのマックィーンならではと言ったところでしょうか。
物語の後半はミッチ・ボーゲル演じる孫のルーシャスに焦点が当てられ、マックィーンの影が薄くなっちゃっているのがチト不満ですが、
Climaxの草競馬のSceneも中々見応えがあり、意外な拾い物であります。
マックィーンの親友ネッド役のルパート・クロスですが、この作品でAcademy助演男優賞にNominateされ、その後の活躍を期待されながら
1973年に肺癌でこの世を去っており、この作品が劇場公開作では遺作となりました。