この作品はトーンがマイナー系で地味なナンバーが多いのですが、私にとってとても熱くさせてくれるナンバーが揃っています。サポートミュージシャンもギタリストの今剛をはじめ好きなアーティストで固められていて特に「プラスα」の青山純、山木秀夫のツインドラムには圧倒されました。その中で一番のお気に入りナンバーは「笑顔」。私にとって癒しの最高傑作です。彼女の優しい歌声がすごく生きているナンバーで夜遅く疲れて帰る車の中でベットタウンの夜景を眺めながら流すと何故かこみ上げてくるものを感じさせてくれます。

布袋さんと結婚してからの今井美樹さんは変わりました。自信に満ち溢れた歌手になりました。でも私は結婚前の彼女のちょっと自信がなく、いつも迷子で入るような彼女が好きでした。

Ｌｌｕｖｉａは静かなアルバムです。あの頃の彼女の心の中は今よりずっと静かだった。その静寂が反映されているようなアルバムだと思います。特に私は

「黄昏」が好きで、何度も何度も繰り返し聴いていました。メロディーも歌詞も心がしんと静まり返る感じがとても好きです。

かなりの曲が、遠距離恋愛の人に特に共感を感じさせる内容になっています。もちろん無関係に良い曲ですが。昔のように携帯電話がなかった頃、電話の向こうに相手を感じた時の苦しいくらいの気持ちって、今の携帯恋愛しか知らない人には分からないだろうなぁ。アルバム中には、別れを歌ったものなどもありますが、全曲通じて、恋人への溢れるばかりの愛情が貫かれており、切なさを幸福感を同時に感じることのできるアルバムです。ファンの一人としては、かなり好きなアルバムの一つです。