第二貧乏物語
★★★★☆
文章が大正末、昭和初期の語法であるため流し読みには不適であること、
当時の常識であった故事、来歴、引用が現在では理解できないこと、
『第二貧乏物語』を必要とする現代の「貧乏人」は時間をかけ、辞書を片手に読破せねばならない。
しかし、その内容「弁証法的唯物論」を理解することには最適である。
「弁証法的唯物論」の全般的理論解説紹介は、21世紀までそれを凌駕する著書、著者はない。
私たちが置かれている境遇・環境を理論的に理解する一助に値する著作である。
マルクス・エンゲルス・レーニン・ブハーリンの引用箇所の紹介は、でき得れば現在入手可能な著作の
当該個所の紹介も必要であったのではないか?
序にある「スターリンの報告演説」が補録されていないことに疑問を感じる。
当時、世界最初の社会主義社会の考え方の紹介として必要ではないかと思う。
因みに、宮本百合子の著作の場合には、社会紹介のみではあるがその紹介もされている。