民生さん聴き始めのころ、
「イージュー＠ライダー」が入ってると、
思い込んで買ったら入ってへんかった。
けど、それを補って余りある珠玉の名曲集です。
「野ばら」は短いけど、心に残るラブソング、
民生さんのファン投票で一位になったことも。
他にもライブで今でもよく聴ける曲が多くて、
いわゆる埋め込み的な曲のない一枚です。
残念なのは曲数が少なくて、すぐ終わっちゃうことかな？

奥田民生ソロとしては29,30といったアルバムが先行しているが、現在の立ち位置を確立したのがこのアルバム。骨太でシンプル。29,30のような詰め込み方はしていない。実は29,30の出来（1曲ずつはもちろん良い）から今後を勝手に心配していたのだが、私のような凡人の心配など無用。このアルバムを聴いていない方は是非。

９７年発売？ソロ第３弾の本作。
OTソロ作品に特有のへヴィーなビート、
不思議で美しいメロディは健在。
これを民生の最高傑作とする人も多い。
「野ばら」、「カヌー」このアルバムのメインで
とても好きな曲だが、なんか民生っぽくないな〜。
以前２作の明るい感じが好きだったんだけど、
このアルバムは全体がやや暗め、切ない感じがする。
曲調的には全盛期のオアシス、ヴァーヴあたりに近いかな。
でも、収録曲が少ないせいもあって、全体にまとまりがある。
アルバム単位で聞きたい人にはお勧め。

本CDライナーノーツにある渋谷陽一の言葉「何故、ソロになってからの奥田民生はダラダラしているのか、それはロックだからである」この言葉によって、何故私がここ5年間奥田民生ばかり聞いているのか合点がいった。現実が思い通りにならない疲労感からくるダラダラ感＋しかしそれを変えようと闘う意志からくる攻撃感＝ロック。そうロックは攻撃的でカッコイイだけではだめなのだ。ナイフのようでなく、なべつかみのような「まいったにんげん」こそがロックンロールなのだ。にんげんなのだ。

この人はスタンダードを意識せず素直に書くとこういうものすごいものを作るなぁ。
洋楽をうまく消化してわびさびの利いたオリジナルを作り上げる。
すぐ人の音楽に触発されるけどただのパクりでもない。いいとこ取りがうまい。息継ぎもうまい。聴く側のことを考えてるとゆーかそんな感じ。
そして決して素直じゃない。「歌詞はテキトー」とか言ってたけど、
最高に哀愁あふれるひねくれ者の詞だと思われます。大好き。

で、ソロずっとタイムリーに聴いてきたけど、これが一番いい。「29」とこれが好き。
そもそもミニアルバムって本質が出るもんだと思います。売り上げ本位じゃないから。