公衆電話と手紙を使った身代金要求はよく考えられていた
★★★☆☆
軽妙な関西弁で展開される貧乏神シリーズが人気の著者のデビュー作。銀行強盗をした犯人が銀行内で人質をとって逃亡し、人質の家族に身代金を要求するというミステリ。まだ携帯電話がない1980年代に出版されたということもあり、犯人と人質の家族のやり取りは公衆電話と手紙を使っていたのだが、警察に真意を読ませない行動や、身代金の受渡方法などよく考えられていたと思う。ただ、身代金の受渡まではよかったのだが、その後の展開があっさりしていて物足りなかった。