長編叙情詩のようなアルバムといえば、ジェネシスが1973年のNY旅行から発想を得て作ったこの壮大なスケールのアルバムに勝るものはまずないだろう。アルバムの曲のもとになっているのは、レエルというストリートキッドが、幸か不幸か、大都市の洗礼を受けて、奇妙で神秘的な変化を遂げていくというストーリーだ。
ピーター・ガブリエルの表情に富んだ歌声と時折不穏さの漂う歌詞の世界だけでなく、楽器セクションを拡大しているので、トニー・バンクス、スティーヴ・ハケットそしてフィル・コリンズらの素晴らしい才能もあますところなく堪能できる。ジェネシスをミュージックシーンにしっかりと位置づけた画期的なアルバムだ。(Paul Clark, Amazon.com)
「Peter Gabriel時代の集大成」名盤!!!
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1974年、GENESISの6th・スタジオアルバムです。
このアルバムを最後に、Peter Gabrielが脱退するのですが、
内容は、まさしく「Peter Gabriel時代の集大成」といえる名盤です。
Rael(ラエル)という名前のキャラクターが主人公の「2枚組コンセプトアルバム」になっています。
2枚組で、ボリュームがあるのですが、どの曲も、ヒジョーにクオリティが高いです。
GENESISが得意とする、「幻想的な音世界」 & 「寓話的なストーリー」が楽しめます。
また、各メンバーの演奏が素晴らしいです。
Peter Gabrielの「シュール」「狂気」を感じさせるボーカル。
Steve Hacketteのサステインの効いたG & Tony BanksのKeyが織り成す「叙情性」。
堅実・安定した演奏を魅せる、Mike RutherfordのB & Phil CollinsのDr。
。。。どれも、最高水準です。
そして、これらの音が、重ねられていくのですが、
「重厚なサウンド像」というよりも、ファンタジーや浮遊感を持った「多層的なサウンド像」になっている点も、大きな魅力です。
ただ、難をいえば、「長い」「濃い」ということで、普通の2枚組よりも、疲れます。
プログレに慣れている人でも、「最初は、結構、しんどいのでは?」と、思います。
このアルバムは、「Peter Gabriel時代の集大成」「プログレ時代・GENESISの集大成」的なアルバムです。
「GENESISファン(プログレ)」「Peter Gabrielファン」にとっては、マストCD。
「プログレ・ファン(特に英国)」にも、必聴レベルでオススメします。
確かに名曲だが、一方で長過ぎて疲れる
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一曲目の「Lamb Lies Down On Broadway」はMike Ratherfordのベースワークが何といっても格好よく、鮮烈な印象を与える。そのほか「Carpet Crawlers」「Back In New York City」など名曲を揃えたPeter Gabriel在籍最後の華を散らせた名盤である。実験は実験として理解するが、現代の空間にこの音楽を流すと「何でこんなに長い組曲を作ったの?コンサートで大変なだけじゃないの?」という気持ちが湧き上がってくることを禁じえない。
Peter Gabrielの幻想小説的作品。トミーやウォールに匹敵するトータルアルバム。
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Peter Gabriel在籍時最後の作品にして、Genesisの最高傑作と思います。FoxtrotやSelling Englandなどの叙情的な作品と異なり、精神世界、宗教、ドラッグトリップ、セックスなど、かなりシリアスな内容です。さながらロックミュージカル、サウンドドラック的な音作りですが、ムーグを大々的に取り入れ、変拍子多用した楽曲はドリームシアターにも影響を与えたのではないかと思います(ハケットのギターがいまひとつですが)。とにかく、歌詞が重要な意味を持つ作品なので、和訳のある日本版をおすすめします。
プログレの、ジェネシスの、音楽の名作!
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聴いてください。 ただ、それだけしか言えません。賛美両論あるのは分かる。でも、こういう作品があったっていいと思う。
僕はジェネシス以上に影響を受けたバンドはありません。
そしてこの作品は、数あるジェネシスの作品の中でも、特に思いいれのあるアルバムです。 騙されたとおもって一回聴いてみてください。
これ以上に個性の強い作品は聴いた事がありません。
ジェネシスではなく、ピーガブの最高傑作。
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まずジャケット。これまでの「Foxtrot」や「月影の騎士」等のファンタジックな絵とは違うヒプノシスのリアルなアートワークに目を奪われます。そして中のサウンドもファンタジックな前作とは対照的にソリッドで緊張感が張りめぐっています。そしてガブリエルの歌詞もファンタジー路線から、現実を直視したシュールなものに変わっています。
この作品がピーガブ期の作品としては最後になってしまいましたが、その完成度は疑うべくもなく、今までの作品の集大成となっています。曲は基本的に全曲つながっているものの、あまりまとまりがなく、流れを意図的に断ち切りながら進んでいくような感じさえします。すると私たちリスナーは不思議と迷宮に迷い込んだような感覚になってきます。この「感覚」を気に入るか、気に入らないかでこのアルバムへの評価が決まるような気がします。私自身はすっかりはまってしまい、今では「Foxtrot」とともにヘビー・ローテーションが続いてます。
ちなみに、この感覚を気に入った人は歌詞もじっくり読んでみて下さい。ますます迷宮に入れることうけあいです(笑)。