ソフトウェア開発プロセスの品質改善とプロセス自体の改善を目指したものであり、そのために本書ではデータの収集と分析を非常に重んじています。
どちらかといえば形式的なところを重んじていますが、それによる問題も同時に取り上げています。
正直な感想としては、内容に重量級のボリュームがあり、すぐに実践できるかというと、「それは無理」と感じます。
何度か実経験を踏んだ上で、さらに何をどうしたらよいか考える再に、非常に示唆に富んだ提言がかかれていると思いました。
実際の成功例・失敗例などもリアルに書かれているので、インスペクションは成功すれば成果はすごいが、そんなに容易でもないということを分からせてくれます。
分量的な面から言っても、あまりイントロダクションとしてはふさわしくないです。
インスペクション初心者には Karl E. Wiegers の「ピアレビュー」と併読することを勧めます。
「ピアレビュー」は大変良い書物ですし、内容の割には薄い本なので初心者にはもってこいなのです。
その上で本書を読むことにより、インスペクションを実施していくための理論的基礎の強化ができると思います。