学校で教えてくれないことが3つある。ケンカとセックスの仕方、それとお金との接し方である。
日本人はお金との接し方が下手だ。高度成長期には企業に忠誠を誓いお金のために働かないことを美徳としてきた。だのに今や蔓延する拝金主義に身を委ねている。
そんな現状に「そろそろこれじゃまずいんじゃないの?」と立ち上がった2人。1人は250冊以上もの著書を持つ「お金の神様」邱永漢。もう1人は「ほぼ日刊イトイ新聞」やインターネット博覧会の編集長を務める「インターネットの実験者」糸井重里である。本書に収録されているのは、この2人の2日間にわたる対談の内容で、2人の異なる価値観が交錯しながら議論が進められていく様子がおもしろい。
「お金が怖い」と語る糸井重里の立場には共感できる。一方、お金に引きずられるでなく、お金の存在を無視するでなく、絶妙のバランスを保っている邱永漢のアドバイスも、成功者ゆえのリアリティーにあふれていて説得力がある。
邱の言葉はネットバブルに対するアンチテーゼも含む。安易な株式公開に奔走する経営者を尻目に「公開するほど落ちぶれてはいない」と一蹴する彼の言葉。公開してしまえば、株主に対するしがらみから事業の自由度が著しく低下する。事業を自分の作り出した作品のように愛でる邱はそれゆえに先の言葉を発するわけだが、お金と幸せの優先順位が逆転しがちな現在、その凛然としたスタイルが、忘れていた何かを思い出させてくれる。
この本に最終的な結論はない。しかし本文の至るところに明日を生きるヒントがちりばめられている。どの一文を切り取ってきても心に響く示唆に富んでいて、自分の中でもやもやしていた疑問や迷いにリンクする一節を見つけることができる。人生の教科書として、ぜひお勧めしたい1冊である。(佐藤敏正)
大事だけど、お金だけが人生じゃない…と考えている人に
★★★★★
お金を儲けること自体に魅力を感じている人は、読まなくてもいいかもしれませんが、
「お金は大事だけど、人生、それだけじゃないよな」と漠然と考えている人にはお勧めです。
現在の政治・経済の仕組みの中で語られる「お金のこと」に違和感があったり。
「お金がすべてじゃない」と言いながらも「平均年収」のような情報に振り回されて不安になったり。
お金を稼ぐために頑張ろうと思ってはみても、今一つ、「儲ける」ことへのモチベーションが希薄だったり。
この本を読んで、そんなもやもや感がすっきりしました。
「何にどう使うために金がほしいのか」という、自分なりの「お金の哲学」を持っていれば
どうやって稼ぐか、いくらぐらい稼げばいいか、ワークライフバランスをどうしたいか、
おのずとわかってくるだろう、と。
「お金の哲学」を、これから自分なりに考えていこうと思えました。
なるほど!と、手を何度も打った本。
★★★★★
『お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ』と言うタイトルに
ぎくっとして読まなきゃいけないだろうなぁと、少し恐る恐る手にした本です。
経済本等は難しくて読めない私でも、お金の神様でもあり小説家でもある
キュウさんが文学の視点も交えてざっくばらんに、そして恐ろしくも
「お金はね、恐いですよ」と話してくれる対談本です。
それでもお金に対して恐いと思っていたのは自分だけではなかったんだ!と
思うことが出来て安心したり、商いとは「あきさせない」から「あきない」なのだとか。
なるほど!と、手を何度も打つ場面があったりとするする読める本でした。
お金と聞くと少し警戒してしまう私でもこれからは見方が変わりそうな気がした一冊でした。
お金の話しだけではありません。読みやすい。
★★★★☆
糸井氏も、邱氏もどちらも好きだ。特に糸井氏の「ほぼ日」関連の書籍はついつい買ってしまう。
この本はお金の話題を中心とした対談集なんだが、実はQ氏が生きてた中でつちかってきた様々な考えや人生観を示してくれる本だ。
特に僕にとっては「素手でやってる感じ」というフレーズが大変な発見だった。
それとQ氏の発想とか、定義が、変わらないものは「何でも変わっていく」ということくらいだ。という柔軟な自分なりの真理に基づいているというのが、よくわかった。
変化しないものなんて、無いんだなと何故かしっくり腹にはまってしまった。
星がひとつ少ないのは、頭を殴られたような衝撃がなかったからだ。読んでみて損はない本ではある。
お金について真剣に考えよう。
★★★★★
お金が欲しいと思うけど、お金についてちゃんと考えたことがない。
『いくらぐらい欲しい』とか、『どうやって稼ごう』とか、そういうことはよく考えるけど、『お金とは何か』と聞かれると(聞かれないけど)、答えられない。
お金に振り回されない為にも、お金をコントロールする為にも、一度、お金について、真剣に考えた方がいいと思う。
『お金』と、表紙にもでかでかと書いてありますが、人生訓と、邱永漢の半生記みたいな内容にもなっています。
やはり、楽しくなければ、人生ではないな、と思いました。
金儲けをしよう、と思っている人は、一度読んでみた方がいいのではないでしょうか。
ほぼ日、サイトの方がおもしろい!!
★★☆☆☆
ただ読むだけでは、「ふ~ん」で終わってしまう可能性があります。
邱永漢さんの生き方(対お金だけでなく)を読んで、
自分の生き方を見直すキッカケにはなりますが・・・・。
このタイトルを見て、「お金への接し方」を考えてみよう、とすでに思ってる人は、この本の8割方は読んだも同然です。
もっと、実践的な本をおすすめします。