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山の音 [DVD]

価格: ¥4,725
カテゴリ: DVD
ブランド: 東宝
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山村聰が素晴らしい! ★★★★☆
山村聰の圧倒的な存在感と、大根役者といえばこの人!

上原謙が意外にもいい味を出していたのが印象的でした。

現代の家庭からは無くなっている主婦の細々とした家事仕事に関して

最近製作される時代劇などに登場する女優さんは、見ていて「板についていない」

感じがしてしまいますが、この映画では心地よく見ることができます。
当時の日本での男の傲慢さ、そして女の物悲しさがよく描かれている。 ★★★★☆
敗戦後、民主化が進み、男女平等が歌われながらも実情はまだまだ男尊女卑、男が本当の意味で思いやりの心を持つのは円熟期に入ってから、他に女を作り、純粋で幼い妻を顧みない身勝手な夫を上原謙が演じる、映画(めし)に続き女優、原節子の夫役だが、今回は脇役に近い、中心的な人物として描かれているのは美しく幼い印象の妻と義理の父親といえるだろう、当時、不評に終わった作品だが、それはハッピーエンドではない事が大きな理由といえるだろう、だが、1954年公開のこの作品には当時の日本の姿が色濃く描かれているといえる。
成瀬による「川端原作もの」映画の決定版 ★★★★★
川端康成の同名小説を水木洋子脚色・成瀬演出で映画化した本作。製作過程の細かいことは知らないのだが、小説の完結・刊行もこの映画の製作年と同じ1954年であることから、その連載の途中から同時進行で映画化の準備も進められてきたということになるであろう。
そして、その取材は「もしかするとこれは成瀬による映画化を前提に書かれた小説ではないのか?」と錯覚するほど見事に的を射ており、完成した本作は、川端の小説の世界が成瀬の手腕によって精緻で美しい映像の中に焼き付けられた、まさしく“日本映画”の傑作として仕上がっている。

水木洋子の脚本も時系列の入れ替えこそあれ、その細かいエピソード・台詞等、ほぼ忠実に川端の小説に沿って書かれており、「川端原作もの」映画の決定版として、川端ファンにも十二分に満足いく作品になっているのではないだろうか。

菊子という女性とその義父・信吾を軸に、彼らをとりまく家族の姿を描いた物語は、悪魔的キャラクターをもつ夫・修一や夫婦生活に失敗し子連れで出戻ってきた小姑の房子の存在により、常に暗い陰影で覆われている。また、中心となる菊子と信吾の関係や修一の特異な女性関係には、その内側に危うく屈折した“性”の匂いがたちこめる。
しかし、本作はそれらを扱いながら、決して卑俗に堕することなく、そこから抑制のきいた複雑な人間心理の機微を繊細に紡ぎだす。そして、主人公、菊子と信吾の互いへの思いやりはむしろ高潔すら感じさせ、悲しみの中で静かにいたわり合う二人の姿は感動的だ。

原節子、山村聰、上原謙、中北千枝子、長岡輝子。演じる俳優たちも、その配役・演技ともに文句のつけようがない。それぞれにとって本作が、彼らの仕事のなかでも最高峰に位置する一本であるといって、決して間違いではないであろう。

成瀬巳喜男が描く川端文学の陰 ★★★★☆
川端康成原作。古都鎌倉に住む倦怠期の夫婦と同居する老夫婦の人間模様。鎌倉の閑静な住宅街、まだ建物がほとんどない東海道線沿線、丸の内のレンガ街、まだ広い空が東京にあった頃の新宿御苑(らしい)といった風景が美しい。これが写されただけでも価値があるのではないか。

 気丈に生きる古い女を演じる原節子と、それを不憫に思いながら見守る山村聡の不思議な交歓が作品の肝。哀願するような目を持って、二人のただならぬ関係を表現する(何があるわけでもないが)。市川昆監督の「細雪」みたない質感といえばいいのか。暴力性を持て余す夫・修一の冷酷さがそれを際立たせる。心の通い合わないねじれた親子像が、家出してきた妹も含めて描かれている。そのなかで、姑の長岡輝子のコミカルな台詞回しが面白く、ほどよいテンポとアクセントを与えている。こういう脇役がいるかいないかで、映画の印象が断然違ってくる。

映像ならではの表現 ★★★★☆
原作小説で言及される「山の音」のことがまったく出てこない。また
舅の嫁に対する危うい感情が危ういものとしては見えない。原作と
まるで違うではないか、と思われるかもしれないが、成瀬作品は文章
世界からしっかりと身を離して映像だけですべてを表現している。
原節子・山村聰の表情と間合いや脇の人物などが二人の関係がうかが
わせる。それはやはり危ないものをさり気なく感じさせてくれる。
原作を読んだ、という経験は忘れてこの作品の世界に浸ることを
お勧めする。