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ほんもの

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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「ほんもの」の「経験」が強い企業をつくる ★★★★☆
経済価値が、コモディティから製品、製品からサービス、そして以前著者達が説いた「経験経済」に移行する中、
より「ほんもの」を重視する消費者の感性が生まれてきています。

本書はその「経験経済」の著者パイン&ギルモアによる、「ほんもの」の企業、ビジネスとは何かの定義、
そして「ほんもの」となるためのフレームワークと実践企業の取り組み事例が豊富に紹介されています。

訳者あとがきにもありますが、正直、難解です。この「ほんもの」のコンセプトを説明するために、
哲学や物理学・相対性理論などを持ち出してたりしている点と、事例はスターバックスやディズニーなども出てきますが、
やはりアメリカ企業の事例がほとんどであるため、イメージしずらい部分が多いのも確かです。

ただ、それだけに企業やビジネス活動をこのような新たな視点・枠組みで捉えた理論は新しく、
非常に面白い内容になっています。

本書における大きなポイントである、「ほんもの」の考え方は、以下の2軸で考えます。
ひとつの軸は、提供する経済価値が「そうであると主張するもの(自己)である」かどうか
もうひとつは提供する経済価値が「それ自体(自己)に誠実である」かどうか。

例えば、「夢と魔法の王国」として有名なディズニーランドも、そこは確かに「夢と魔法」もなければ「王国」でもない点では「にせもの」である一方、
それを提供するという企業に対して「誠実」である点で「ほんもの」。つまり「にせもの・ほんもの」。キッザニアなども同様である。

企業や商品・サービスが本当に「ほんもの」である状態というのは非常に難しいことであり、
段階をおって「ほんもの」になっていくと著者は言います。場合によっては数十年も必要であると。経済価値自体を主張に合せるのか、
もしくは主張を提供しているものに合わせるのか。どう合せていくべきかのチェック指標も本書では紹介されている。

誤解をおそれずに要約するならば、ブランドで言えば、ブランドの提供する価値・約束と、
ブランドのコミュニケーションのギャップ・ズレを少なくしていくことで、より「ほんもの」に近付いていくものであると理解しました。
(もちろん、これだけでは語りきれない内容を包括していますが、便宜上)

そして「ほんもの」であると消費者に実感してもらうには、「経験」によって積み重ねられるものであり、
そのためには広告などのコミュニケーションによる(マス)マーケティングではなく、
「経験」を提供するためのプレースメーキングが重要であると著者は言います。リアルの場はもちろん、
Webも含めたポートフォリオを考えることが、重要であり、効果の見えにくい広告などへの予算を、プレースメイキングに投資すべきであると述べています。

概念的な話や、米国の事例が多く、理解が難しいのは確かではありますが、ブランドやCIなどを理解するうえで、
こうしたベースとなる考え方や枠組み・視点での見方を持つのと、表面上の理解とでは大きな差が出てくるものと思います。

コンサルタントの方はもちろん、企業のマーケティング担当者やコーポレートコミュニケーション、広報、そして経営者の方にお勧めです。
ほんものに対する感性 ★★★★☆
顧客に対して決して嘘をつかない、誤魔化しをしない。誠実な姿勢を貫くこと。
これがほんものをつくる要諦である。人々はますます本物を求めている。世の中は
本物を謳ったほんもの、あるいは本物と謳った偽物で溢れている。

本書では、どのようにほんものをつくるか?ほんものとはそもそも何なのか?
その哲学的意味まで遡り、ほんものに対する感性を磨いてくれる。難解な箇所(私にとって)
も多々あり、自分自身がどれくらい理解できているのか正直自信がないが、
これから企業がいかにほんものに向かって進むべきか、どうあるべきか
そもそも自分たちの会社や製品は本物と言えるのか? などなど考えさせられる。

「自分がほんものなら、ほんものであると言う必要はない。」