硬質なモンク
★★★★★
モンクのブルーノート録音(47年~52年)は、LPフォームで本盤と『Vol.2』及び『ミルト・ジャクソン』の半分に割り振られて残されている。ピアノトリオ~セプテットでピアノソロはない。うち本盤は一番おいしいところが纏められている。
各曲3分前後で自由度が少ないため、後のクァルテット体制のような奔放さはなく、硬質なシンプルさが際立っている。テーマの重要度が前面に出るため、この時期のモンクは作曲を頑張ったのではないだろうか。
いいのはミルトとのクァルテット「Epistrophy」と「Misterioso」。バイブとピアノが奇妙に絡み合い、眩暈をさそう(『ミルト』に収められた「Evidence」も素晴らしい)。この2人、どんどん別の方向へ進むが、これ発展させていたら別の50年代、60年代があったのだろうなあ。
グリフィンとの『イン・アクション』には及ばないものの、「In Walked Bud」はここでも実にかっこいい。「'Round About Midnight」は淡々とした硬質な出来である。