新堂氏の非凡な才能が窺われた
★★★★★
本作品の上巻から一気に(中断なし)下巻に突入した。
下巻も上巻以上に面白い。
特に終盤は、どんでん返しの連続であり、作品の前半部分の前提すら覆ってしまう。
かなり長く家庭内暴力の悲劇を描いた作品だと思っていたが、実は全く違うという点が驚かされた。
新堂氏の非凡な才能が十分窺われた最高傑作。
真相
★★★★☆
★5つに限りなく近い4つです。
浩が鬼子となったわけとは。。。
真相を知った時、完全に凍りつきました。。。
恐ろしい作品です。でも、読むのをやめられない。。。
上巻含めてレビューします
★★★★★
ネタバレになるので詳しくは書きませんが
後半の展開ははっきり言って卑怯なところがあります。
(ついでに作品の価値とは関係ないけれど
母親に読ませるには結構な度胸がいる展開です)
とはいえ最初から最後まで話に引き込まれましたし
この程度の卑怯さならよくあるレベルでしょう。
この作品のキモは登場人物の描写です。
彼らの抱える事情こそ特別ですが
行動には人間らしさ溢れています。
だからこそ真相が晒されるとき
リアリティと主人公への共感が冷まされ、
いわゆる「ひき」を感じるかもしれません。
意外な職業の人間がキーになる
★★★★☆
(上巻のレビューの続き)
下巻では、息子の浩に対し、遂に袴田勇二も対抗措置を真剣に考え始める。そして、浩の暴力的になった原因も明らかになってくるのであるが、意外な職業の人間がキーになっていることも解ってくる。この職業に就く人を、この様に描いた作品は初めてではないのか? 上巻よりも気を揉むストーリー展開になるが、最後はうまくまとめられてしまった感があり、上巻の家庭内の描写に比べればインパクトが弱い。下巻の方の評価が低くなったのは、このためである。
最高傑作!!
★★★★★
『鬼の子』は実は子供ではなかった・・・。驚愕のラストは新堂ワールドの集大成。プロットにはやや難があるけれども、主人公である父親の荒廃した心がよく描けていると思う。なさそうで、でもありがちな現代社会の病魔を、じっくりと描ききっているからこそ、読者を惹きつけるのだと思う。物語全編に流れる狂気は、この世のどこかできっと起こっているはずだけに、恐怖心は止まらない。私は数ある著者の作品の中で、これが一番好きだ。