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無間地獄 下 幻冬舎文庫 し 13-2

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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やっぱり何かが足りない ★★★★☆
下巻では、今まで女性を食い物にしてきたエステサロンのトップ
セールスマン玉城が、これでもかと言う位悲惨な目に合う。
その様は滑稽ですらある。
上巻から一気に展開がスピードアップし、玉城の悲惨な状況は
それなりに面白いのだが、やはり何かが足りない気がする。
暗黒小説に必要な要素を網羅し、ラストもそつなくまとめているのだが、
逆にうまくまとめすぎている感がして、大藪春彦や馳星周などの作品
と比較すると、今ひとつ物足りない。
がっかり! ★☆☆☆☆
この著者の作品は初めて。レビューの評判も上々だし、好きなジャンルのノワールっぽい味を期待して読んだけど・・

文体描写等が自分の好みに合わない、というのを割り引いても、実にがっかり!何よりキャラクターにリアリティ、魅力共に欠ける事はなはだしい。キャラクターにそれだけの魅力があればリアリティなどいらないのかもしれないけど、私には誰一人として魅力を感じるキャラが徹底的にいなかった。話自体も面白くなかった。しつこいけど好みを割り引いて、その上で、25年くらい本を読み続けてきた中で、一番出来の悪く感じた小説。それぐらいがっかりした。
拍車がかかるストーリー展開 ★★★★★
(上巻のレビューの続き)
桐生保の冷酷非情さは相変わらずである。しかし、そんな彼にも弱点があったとは!

下巻はストーリー展開にいっそう拍車がかかり、緊迫感があって、とても読み応えがある。そして、金のみを信じ、人を道具としてしか扱ってこなかった桐生は、彼に相応しいラストを迎える。やはり自業自得と言うことか。しかし正義が勝つ訳ではない。

この作品の登場人物は個性的であるがろくでもない奴ばかりで、小さなことに喜びを見いだせる小市民として一生を終えるのが、一番幸福でないのかと思わせてくれる作品でもある。
やってきました、地獄に突入 ★★★★☆
上巻で「無間地獄」のアウトラインを知ってしまった私、恐る恐る下巻に手をだしてしまいました。やっぱりジェットコースターの下り状態。

下巻では主人公は地獄へ突き落とされる「玉城」、さらにおちて行く様がすごい。一方で罠にはまっていき、封印していた過去がばれてしまうこの本全体の悪の主人公「桐生」。壮絶にして小気味いいテンポでどんどん自分も地獄へとひきずりこまれていくのがなんだかわかっていく、しかもそれは快感かも。怒濤のラストに書かれた背負った過去を拒否することへの葛藤は強烈。騙しの手口の導入部はあまりに専門的で少々中だるんでしまうが、地獄への旅へは必要な知識かもしれません。

文章中に書かれる絶叫の言葉(言葉にはなっていないのだが)は呪詛ともいえるおぞましさがある。あとは人の表情の豊かな表現力、それは新堂ワールドには不可欠だ。とにかくはまる、ともかくはめる、それが「無間地獄」の味である。

恐怖の違い ★★★★★
誰にも恐れられる主人公桐生の心に残るあの過去、今まさにひどい立場にいる
玉城、
桐生をねらう者ども、玉城の周りの女達、作品中には恐怖がゴロゴロ転がっている。あなたはどの恐怖が1番いやですか?

でも私は桐生の過去の場面は泣きながら読みました。
怖くて切なくて弱くて痛くて恥ずかしくて悪くて言えなくて・・・。

この作品は私にとって忘れられない名作です。