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カリスマ〈上〉 (幻冬舎文庫)

価格: ¥760
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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   著者はこれまで、街金融の若い経営者の周囲で起きる猟奇殺人から展開する『血塗られた神話』、闇の金融業を営む主人公の裏社会での抗争をリアルに描いた『無間地獄』と、自らがなりわいとする金融業界に密着した作品を描き続けてきた。金融の詳細と劇画のようなスピード感あふれる展開を持ち味としてきた著者が新興宗教を題材にした本作では、金融業界の詳細こそなくなったものの、そのスピード感や力強さが失われることはなかった。

   宗教にのめり込んだ母のおかげで、家庭でも学校でも孤立していく少年。優しく美しかった母は鬼のような姿となり、宗教への傾倒は日増しにエスカレートする…。そんな少年とその両親の行き着く果てを描いた、衝撃的な序章。「なに?なに?この異常な場面は?」と思いつつも、暴力的にストーリーにのみ込まれていってしまう。

   上巻では、宗教団体「神の郷」の実態とそこに引き込まれていく人々の様子が克明につづられていく。教祖とその側近、サラリーマンとその妻。小さな事件の積み重ねと、個々のキャラクターを丁寧に描き、下巻でのストーリーを展開させるためのコマをそろえたといったところ。誇張して描かれる、ある種ステレオタイプの人物像はマンガ的でもある。だが、それは読み手の想像力をいとも簡単にかきたて、登場人物の姿を明確に想像させる術だとも言えよう。

   全ページめくり終えるまで、一息つく間もない。だが、全ページ制覇したそのとたん、下巻に手が伸びてしまうことは避けられない。(つちだみき)

えげつないオープニング ★★★★☆
物語のスタートの描写が中々にエグイ。
己をカリスマとして祭り上げ、欲の限りを尽くすに至った幼い時の事件は身の毛もよだつほどの凄惨さです。

そのスタートをまともに正面から読みきったとき初めてこの物語は始まると言えます。
しつこい・・・ ★★☆☆☆
読み始めはテーマも登場人物も面白く、ずんずん読み進められたんだが・・・
洗脳時の描写や登場人物の心理描写など、あまり説明っぽく、そしてしつこすぎて読み飛ばす箇所が増えていく。

非常にリアルで、詳しく描写されているのだが、繰り返し同じ様な表現が多すぎて読み進めるうちにどんどん醒めてしまいます。

非常に残念!
オウム真理教を髣髴させる ★★★★☆
闇金がテリトリーだった新堂冬樹が「新興宗教」を描く。
衝撃的な家族の描写から始まり、儲かるメカニズム、
そして息子の中学受験の為に「神の郷」の合宿へ向かう城山麗子と言う話で上巻は締め括られている。

一方で分厚いページ数が指しているように少々間延びした感もある。
しかし私の親戚に「エホバの証人」に入信した一家がおり、彼らの家庭と

この小説の登場人物の描写を見るとあながち懸け離れてはいない。
緻密で、しっかりと考証した上で描かれていると感じた。
聖者の様な振る舞いをする教祖の実態も実に情けなく愚かでコミカルに思える。
人はカリスマを求めている ★★★★☆
宗教ブームの時には実際この様な内容があったのだろ。 しかし、どのように洗脳し信者を獲得したのか、その運営・管理体制が余すところなく描かれている。オススメの作品です。
読後のインパクトが強烈 ★★★★★
狂気の人間の恐さ、騙される人間の弱さ、世の中の救いのなさなど、読んでいて気分が悪くなる箇所もありましたが、著者の筆力で一気に最後まで読んでしまいました。
※途中、読むのに夢中になって電車を乗り過ごしてしまったほど。。。

読後に強くかつ重いインパクトが残り、それはあたかも自分がカルト宗教への入信から脱退までを経験したかのような何か疲労感に近いものが数日残ります。

ここまで人間を抉り出すような作品を書いた著者に敬服です。