インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

脳と魂 (ちくま文庫)

価格: ¥48
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
痛快な対談です ★★★★★
江戸文化礼賛、安楽死、生命誕生の謎、個と私の違い、東洋・西洋の比較文化論など話はあちこちに飛びますが、一貫しているのはタイト通り脳や魂に関する議論、それも明らかに仏教的な視点からの議論です。養老さんが「突き詰めると、日本の哲学は仏教になってしまう」と言っていますが、こういう対談を読むと、明治以来西洋科学一辺倒になった日本人の価値観が変化して行く先が見えてくるように思えます。

2人とも決して日和見的ではなく、スタイルは違うものの、頑固さを全面に出していて、全く軸がぶれません。その意味で、読んでいて痛快さを感じます。知的エクソサイズとしても楽しめる価値のある一冊です。
対談は2人のそれぞれがよく見える ★★★★☆
それぞれの知識と物事に対する姿勢というものがよく見える対談だと思う。
内容は脳と魂に関連したことを多面的に話しており、面白いが、対談という形態上どうしてもどの部分も十分論議されてはいない。が、2人の知識と考え方は興味深く、なるほどと思うこと多々あり。
それでもなお、養老さんの「いえ。」「だから」の多発と対応の不器用さから、「頭の良い人」の高慢と硬さが目につく。
一方、玄侑さんの柔軟で洒脱な「頭の良さ」が際立つ。彼の知識と思考は深く、かつ柔軟に広がっているようだ。彼の書いたものを見る価値ありと思うようになった。
ニヒリスト達のヒューマニズム ★★★★☆
 オススメなのは第三章「世間と個人」。日本の「公」「私」のほか「個」を巡る色々な勘違いや矛盾を二人で指摘しています。例えば、「本当の自分」が不変でずっとあるのではなく、「自分」なんてものは流動し変わっていくのが普通なのだと確認した後、そこから、例えば「個性を伸ばす教育」や「自分探し」の胡散臭さ、その延長としての鬱病の蔓延等が語られます。それは日本では「公私」はあっても近代的な「個」がお題目としか認められてないし、そもそもそれは西欧でもフィクションでしかないんだということをみんなが分かってないから、その軋轢に悩むんだと。そこから安楽死や差別の話まで一気通貫で語られるところなど、かなり説得力があるし、スリリングです。

 さてこの章では、二人は半分冗談で日本を「江戸時代に戻せばいい」とも言っています。戦国時代に「個」が家族同士でも殺しあうような事態を経て、江戸幕府が五人組や喧嘩両成敗のようなシンプルなルールで社会の共同体性を高めていく。「江戸城で刀抜いたら切腹、以上終わり」(養老)。建前は世襲と身分制度でガチガチなようで、実際(ホンネ)は実力主義で風通しも良かったはずだ、と。この辺は面白い話だけど、歴史学的には賛否両論かもしれませんね。(ラフなお喋りな分、この種の学問的正確さは読者によりケアされる必要が出てきます。本来、編集でどうにかできる話なので、星を1つ減らしました。)

 この章の二人は勿論、江戸時代の封建社会を諸手を挙げて絶賛してるのではありません。しかし、語り口は穏やかだけど、「結局、日本人は江戸時代のように「公」にとらわれてしか生きれないもんなんだ」という、凄く冷徹なリアリズムが垣間見えるんですね。そして、このニヒリズムはある種、仏教的です。(例えば、「諸業無常」を世俗的に徹底すると、体制に抗うパワーよりも流されながら無常を感じるという風な感性にどうしてもなる。)この二人の対談の相性が良いのは、ここに理由があるのではないでしょうか。

 だけど、真剣に世の中のことを考えてるニヒリスト同士の対談なので、ちゃんと前向きな話で対談が終るという。そこが素晴らしいと思います。
科学と宗教 ★★★★☆
人間の魂を科学と宗教の面から説く。
養老先生は科学者なので科学の面から説くが、科学では割り切れないこともあるという発言もある。
難しいことを話している割にはわかりやすいし読みやすい。
日本が西洋化したことの弊害の説明も納得しやすい。
仏教 ★★★★★
脳と魂という難しい感じのする本だが、読んでみるとそうでもない。難しい言葉は出てくるが、ちゃんと意味が解説してある。お二人の話がわかりやすく、とても読みやすい本です。もっと仏教について勉強したくなった。