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誤読日記 (文春文庫)

価格: ¥870
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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手軽だけど本物――モスバーガー的書評 ★★★★★
快刀乱麻の趣で、研ぎ澄まされたプロ精神と底の見えない教養をベースに、
生前骨太の書評を書いていた「あの」米原万里をして、自分が俎に乗らないで
よかったと胸をなでおろさせた斉藤美奈子。
米原の「打ちのめされるようなすごい本」を読んで以来、どんな傑物かと
気になっていたのですが、このたび平積みになっているのを偶然見かけ、
迷わず購入。

いやあ、すごいですこれ。もとが「週刊朝日」の連載だったということも
あるらしいですが、「うちのめされるような―」と違って、持ってくる本は
有名人本や政治家本など、「自称正統派読書人」のような人が手に取らなさ
そうなものも多数扱うのだが、その中から本当は面白いところ、斜に構えて
みると笑えるところ、どうしようもない矛盾など、変幻自在の筆致で
あらわにしてしまう。ナンシー関のような湿度は感じないけど(あれはあれで
好きだったが)。

ところどころで、レビューをする本の文体をそのままパクっておちょくって
見せるわけですが、こういうことを簡単にやってのけられるところにかえって、
書評で勝負する人間の迫力を感じる。

自分がかつて、割と喜んで読んだ本がこき下ろされているのを見て、
ちょっとヘコんだりムカっときたりするのも、筆者がその本を好む読者の
心性に的確に迫っていることの何よりの証拠と言えるだろう。
ちょっと前にはやったという一番古くなりがちな話題を取り上げているのに、おもしろく読めました。 ★★★★★
ベストセラーを批評した本。
2000年4月から2004年9月まで4年半で175冊に取り組んでいます。
もちろん、斎藤美奈子の文章だから皮肉とおちょくりにあふれていますが、キチンと読み込んであるのも、いつも通りです。
斎藤美奈子さん、マジメです。

とりあげているのが、ベストセラーなのに文章が古くなっていないのが不思議。
この文庫版では注釈を入れ、今では伝わりづらくなった当時の状況や有名人たちのその後を伝えているのですが、
それよりも、斎藤さんの批評が普遍的なんだろうな。

もちろん、アーこんな本あったあった的に読んで、その頃の自分を懐かしむのもありです。

あと、フェミの話になると急に沸点とテンションが変化するのもおもしろい。
余談になるのだけど、森茉莉の”パッパ”や淀川長治の自分の愛する俳優にさしかかった時の文章を思い出しました。
表現する人って、やっぱり何かためているモノが、あるよね。
マンネリと化した「個人差」攻撃 ★★★☆☆
斎藤美奈子は面白い。と「妊娠小説」で味をしめた私は、次から次へと斎藤本を食い荒らしていった。特にパロディー文体で書かれたものを読んでいると、脳内に「快楽物質」が発生しているような気までしてきた。そう多作ではないため、常に「斎藤の文章」に対する軽い飢餓状態であったともいえる。
「趣味は読書。」だったと思うが、「フィッシュがラッシュ」のころが斎藤美奈子と私の蜜月時代だったかも。
が、「誤読日記」「ものは言いよう」あたりから、ある「違和感」を感じ始めた。
いつのまにか斎藤は、いつものようにおちょくりを入れた後、「この著者はこんなこと言ってるけどさ、人は皆それぞれ違うのよ。それは個人差であって、男女差ではないの。」という結論で締めることが常となってしまっていた。
結論というにはあまりにおおざっぱである。
どんな本を取り上げても、おちょくった後この方法で締める、ということをしていたら、「なんか、手を抜いているわけ」ということになる。
斎藤にとって世の中とは、ほとんどすべての問題が「それは個人差というもの」で片付けられるようなものなのか?
それとも、まじめに考えるのがもう「面倒くさい」のか?
斎藤が「人それぞれ」とか「個人差」と書くたびに心が離れていく、今日このごろの私であった。
ナンシー関は唯我独尊だ ★★☆☆☆
斎藤氏は「みかけが9割」だとするとリクルート的容貌である。いいかえればオキレイで、野心満々の面立ちである。反対にナンシーは猛虎が爪を隠すのと同様、風貌から読み取れるものは野心の反対の無心だった、というのが当方の持論である。ナンシーと斎藤氏を同じまな板の上にのせてほしくない。

この本は出版すべきでなかったように思う。コラムの集大成らしいが、
yoshiのナンタラ言う本まで取り上げて、読書新世代の読者を意識しすぎている。

この本にはすまないけれど、パラパラと雑誌読みをして終わらせました。
そこまで言ってくれたか、美奈子さん! ★★★★★
さすがは斎藤美奈子、こちらが言いたくても言えないことをズバリ言って下さる(笑)。評価の高い作家、作品というだけで崇めてしまいそうな相手や作品に対しても斬る時は斬る!それが溜飲が下がる思いで有難い。ジャンルも幅広く、おかげで興味を持って読めそうなものから、作品に対して悶々とした憂さを晴らしてくれるものまで、最近のより多くの本に接したいという方に是非お勧め。