インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

それってどうなの主義 (文春文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
「自業自得」と「自己責任」の違い ★★★★★
07年に白水社から発売された単行本を文庫化したもの。

著者が雑誌や新聞に書いた文章の中から、社会・報道・文化・教育等にかかわるエッセイを選んで一冊にまとめた作品だが、その大半は、言語学の専門誌『言語』の連載(03年1月号から04年12月号)と『新潟日報』の連載(98年4月から99年3月、03年6月から04年12月)からのものとなっている。いわゆる時事コラムだ。

ただ、発表誌が言語学の専門誌ということで、例えば、北朝鮮問題の報道等における「拉致」と「連行」の違い、イラク問題の報道等における「派兵」と「派遣」の違いなど、『言葉』に視点をあて、そこから彼女の考えを展開していくという構成のものが多い。

つまり、その時話題になっている事柄を直接論じるのではなく、報道のされ方、しかもその中の言葉に視点をあて、その問題を論じてみよう(おちょくってみよう?)という回りくどい?構成なのだが、これが、実に興味深いものとなっている。しかも、自分自身が思っても見なかったような考察も多く、目から鱗が何枚も落ちた。

時事ネタを扱いつつも彼女の本業である書評(文芸評論)に近い面白さを持つ一冊だった。
連載ものにしてはよくまとめられている ★★★★★
みんなが何となしに手放しに賛成しているとき、そっと「それってどうなの」とつぶやいてみる。それってどうなの連盟、略して「そ連」。
本書は、連載されていたものをまとめたものです。連載もの、時事ものって、つねに時代が変化している中でかくもんだから、一冊にまとめるのって大変だと思います。とくに時代に敏感な人ならなおのこと論点やトピックが多様化するでしょうから。
それを、ピリッとした皮肉混じりにいつもながらうまくまとめてしまうところはさすがです。
もっとも、小泉内閣のもと、日本国民の大多数がファンクラブをつくったりして熱狂的に賛成してたなかで、それってどうなのと語っているのだから、論点がはっきりしやすいのは当たり前といえば当たり前かも。
日本人として熱狂していた自分を、本書を読んで突っ込み直すのにも良いかも
少し物足りない ★★★☆☆
うーむ。

オッというような鋭いツッコミはここでも見られますが、他の著書と比べると新聞向けに書いてたせいか少しおとなしめ?
意地悪(失礼)な斉藤美奈子を読みたい読者としては物足りないかも。

なかなか隙を見せないところはさすがですね。
ファン待望の斉藤美奈子節爆発エッセイ集 ★★★★★
 ファンならもちろん買いの一冊。著者「斉藤美奈子」っていうのは、文芸評論家と称されているものの、いまいち「立ち位置」のわかりにくい人ではないだろうか。噂の真相から大新聞まで、サブカルから政治まで、あちらこちらに出現し、「おちゃめなお嬢からの攻撃」を発揮してきた著者。「お嬢からの攻撃」といってもけっしてそれは、女性特有の「猫パンチ」にあらず、世間に媚びる「依頼心パンチ」でもなく、随所に「するどさ」がありつつも、けっして「品と愛嬌(モダンガールっぽさ?)」を失わない、それ故の「お嬢からの攻撃」である。尚且つ、歳相応の「ババアからの攻撃」にも絶対にならないところが「斉藤美奈子の本領」ではないかと。

 で、その著者がオウム事件後10年間の、どこそこのエッセイをまとめて出したのが本書。
タイトルはすばり著者の「立つ位置」をまさしく言い当てたように「それってどうなの主義」。世間に対して斉藤美奈子が「それってどうなの?」とここ10年問うてきた編集本である。

 ならば世間も「斉藤美奈子ってどうよ? どうなの?」と問わねばなるまい。
本書はそんな問いに対するアンサー本にもなりえる筈だ。ファンだけではなく、もちろん「初心者」も大歓迎の斉藤美奈子本だろう。
それってどうなの主義って、どうなのよ(ベタですが) ★★☆☆☆
 巻頭に「それってどうなの主義」宣言なるものが掲げられていて、これはとにかく、何か変だなあと思ったら「それってどうなの」と呟いてみる、ただそれだけ。「違和感を違和感のまま呑み込まず、外に向かって内に向かって表明する主義。言い出しにくい雰囲気に風穴を開け、小さな変革を期待する主義」(p3)だそうです。
 著者曰く、その「ささやかな効用」とは、1:世の中を冷静に見る習慣がつく。2:のぼせた頭を冷やせる。3:「相手がふと立ち止まるキッカケになるかもしれません」。4:「意外な賛同者が現れ、流れが変わるかもしれません」…まあね。
 「プロ市民とゲバ学生」という文章(p56)で、ヌルい反戦パレードに嫌悪を表明した辺見庸をからかいつつ、それは「ゲバルト」への郷愁だと切って捨てる。齋藤自身、学生運動に関わっていやな思いをした経験があるらしいから(p37)、その反動っていう面もありそうに思う。
 いずれにせよ、市民は追い詰められておるよ。
 本書を編むにあたって核となったのが『言語』誌での連載で、連載時のタイトルが「ピンポンダッシュ」。つまりピンポーン、とチャイムを鳴らしてワーッと逃げる例のイタズラ。しかしあれは、大被害こそないものの気持ちよく笑えない、陰湿なイタズラじゃないだろうか。少なくとも私の個人的な記憶では、ああいうイタズラが好きなガキに、ロクなのはいなかった。