著者の意見には価値なし。他書の引用まとめ本としてなら?
★★★☆☆
著者はとにかく民衆は虐げられていた、女性は虐げられていたと言いたいらしく、様々な他の学者の意見(根拠あり)をいくつも並べているのに、最後に何の根拠もない私見をつけくわえ、それが結論であるかのような終わり方をする、というダメな文章が多々ある。
シリーズ3作目
★★★★★
小和田先生が毎年書いてる、学研新書「戦国の〜」シリーズ3作目。
今回は戦国時代を、そこに生きる有名無名の人物達の記録から読み解いてゆく。
戦国大名の内政や家臣のまとめ方、百姓・商人・職人などの仕事と時代への関わり方などを、
文献を参照したり、イラストや写真等を適宜用いて説明する。
こういった内容は著者が多くの論文にしていたと思うが、その成果を一般の人向けに判りやすく纏めた感じ。
ワンテーマ7ページ前後、さらに数小節に区切られており、電車の中で少しずつ読めた。
戦国時代を俯瞰するには・・・・。
★★★★★
日本中世史がご専門の小和田先生の著作。
この学研新書では「戦国〜シリーズ」が3部作となります。
まず‘戦国大名’の起源から筆を起こして、戦国時代の経済や風俗に
敷衍してゆきます。時代を俯瞰し概略をつかむには中々いい本です。
このテの本は専門的にしようとすれば、それこそ汗牛充棟の如くでしょうから、
このサイズは却って手頃でしょう。
先生は戦国今川氏の研究に審らかな方なので、
本書中にもしばしば今川氏の例示がされています。
楽市・楽座のくだりは興味深く読みました。
おススメです。
幅広いテーマを扱っています
★★★★☆
「戦国の城」「戦国の合戦」が良かったので、買って読んでみた。取り上げている内容は幅広い。成り立ちからみた戦国大名の分類、主君と家臣の関係、実際の統治や税、後継者問題、教育、奥、大名の教養、橋や道路や関所、流通や商人、職人たち、実際の農村と農民、戦国時代の女性の実像、他。
自説を主張するだけではなく、適時いろいろな研究者の近年の研究成果に触れて紹介している。新書サイズなのでそれほど見やすくはないが、写真や系図や地図も良く整理されている。
ただ、どの章も本来それだけで1冊になるようなテーマなのに、目立った例とエピソード中心に数十ページずつ触れているだけなので、あまりに広く浅く過ぎてちょっと物足りなさを感じた。もう少しそれぞれのテーマを絞って掘り下げ、3冊くらいに分けて出版すべきだったのではないだろうか。