英語のシャドーイングのテキストであるはずの本書は、本来である肝心の英文そのものが少なく、シャドーイングの意味のみを冗長に強調しすぎている。
シャドーイング英文の解説も少ない。
ひとつごとの試験の結果の解説の根拠も不明。
毎ページごとに出てくる博士と生徒の意味のない日本語のやりとりは、ページの無駄使い。
英語中程度以上の方には、非常に簡単すぎて、しかも割高と考えます。

玉井先生の『決定版 英語シャドーイング[超入門]』をこなしてからステップアップにこの本で学習しました。

英検2級しかもっていないまさに入門者の自分にとって、題材の難易の差をかなり感じました。
シャークスピアの『ロミオとジュリエット』朗読、『トム・ソーヤの冒険』の冒頭部分の朗読、『耳なし芳一』朗読、リンカーンの演説、これらは単語が古語的であったり、特有であったり難しすぎて読むのも難しく感じました。

ラストを飾るVOA Standard News（非ネイティブ向けのVOA Special Englishではない）は、解説で玉井先生も海外留学を視野に入れてTOFELを受験する人の学習教材としてもってこいのレベルとおっしゃっています。

結局これらは入門者の自分にとって、必然、シャドーイングなど無理でした。

それら以外を完璧にこなすことに絞って学習し、リスニング力の向上に大いに寄与してしているを実感しています。

この教材を使ってシャドーイングを練習するのは当然のことだが、この本のいいところは、玉井先生のシャドーイングをするまでの説明が大変ていねいであるため、別教材で、マンブリング、シンクロリーディング、プロソディーシャドーイングを教室で実践するときにとても便利です。

余計な説明をする必要がなく、「じゃあ、このCDと同じようにして、教科書のCDでシンクロリーディングやってみよう!」と強引に授業中にシャドーイングさせています。

シンクロリーディングにはまっている生徒も出てきています。

明らかによくわかるのは、生徒の発音がよくなっていること、そして、初見、初聴の英語を何となくシャドーイングできるようになっていることです。

これには私の方がビックリしています。

あとは、いかに書かせることや、読ませること、文法単元習得に、シャドーイングを結びつけるかが私の課題になっています。

上手に使えば、教室での利用も可能な本ですね。

静　哲人先生が出された『ENGLISHあいうえお』と併用すると効果はさらに高まるのでは？？

☆良い点
・シャドーイング・マンブリング・シンクロリーディングなど、聞き覚えのない練習用語の説明がある。
・それぞれの用語が示す練習の目的が、書いてある。
・基本的には、ネイティブの作った文章をネイティブが喋っている。

☆悪い点
・一音一音の発音についての解説が少ない。発音記号さえ書かれていない。
　→我流の発音になってしまう危険性がある。

一音一音の発音をある程度身に着けた後、練習量を増やすために使うのがいいと思います。
例えば、『英語耳』あたりを一通りやった後とか。

文字通りシャドーイングの入門にふさわしい1冊です．
・リスニング力を伸ばしたい
・でも難しい英語ラジオや教材を聞き流しても身に付いた実感が得にくい
・シャドーイングってなんだろう？どういうところに気をつけたらいいんだろう
という人にお勧めです．
とくに最後の点については、練習ユニットを通して会話形式をとって説明してあるので、わかりやすいし説明内容の信憑性に安心感がもてます．
他の方も指摘してあるとおり、各トラックで録音の質にかなりの差がありますが、この本を買って損をしたという程度ではないと思います．