またそれぞれの作者や書物の紹介の仕方も魅力的であり、それぞれの書物を手にとって読みたくさせる。
僕にとっては自分の世界を大きく広げてくれた、人生の中の大切な一冊である。
ただドイツ文学史の流れや個別の作品・作家を紹介するだけでなく、
著者自身がそれに対してどういう視点を与えているかがしっかり書かれ、
個人的な感想も見うけられるものの、それが偏重的ではなく読者に親しみを感じさせる程度に
おさまっており、バランスの良さを感じました。
哲学・思想と切り離せないのがドイツ文学の魅力の一つであると思いますが
そういう方面に関する記述も、いい具合になされています。
これを読んでいて作品自身(といってもまだまだ私のレヴェルでは日本語訳したものですが・・・)を読んでみようと思ったものもたくさんあります。
そういう意味で、たくさんの良い作品との出会いを与えてくれた本でもあります。
こういう良質の概説書をきっかけとして文学作品に触れてみる機会を
作ってみるとよいと思いますね。