特に表題作は名作!SFならではの恐怖が極めて知的に緻密に構築され、我々が知らず知らずに信じている確証の無いモノをフッと暴きだし、途端に絶望が去来する。これはまったく怖い!
しかしながら小松左京の筆は軽やかであり文章は軽妙洒脱。決して荘厳重厚ではなく、さらりと読ませ、感嘆するわけである。
裏をかき、虚妄を暴き、騙しすかし、ゾクリとさせ、ニヤリとさせる、小松左京の多才っぷりにはいつもいつも感服。
ショートショート集なのであらすじには触れられないが、どれを読んでも「SFはイイ!」という事請け合い!
短編なのでネタは、ばらしません。
しかし、TV番組で類似のネタをやってました。
似たような映画も公開されましたね。
類似の古典的な作品も多々あります。
でも、設定が身近なだけにものすごい緊迫感です。
小松左京氏はパニック物の長編が有名ですが、
短編にも優れた作品が数多くあります。
ブルドーザーに例えられるほど多作な小松氏なので、
作品毎に作風が違います。
この短編集の収録作品はホラー風味がついていて、
独特の読後感が楽しめます。