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夜が明けたら (ハルキ文庫)

価格: ¥1,000
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川春樹事務所
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SFが暴く盲信 ★★★★★
SFというと専ら少年少女の娯楽物だ、という認識が未だにあるのでは無いだろうか?
それは些か偏ったものの見方である。
このショートショートに詰め込まれた「一体何が怖いのか?」に対する答え、我々の盲信を暴かれる瞬間、SF的設定だからこそ可能な人間心理にぽっかりと穿たれる穴。

特に表題作は名作!SFならではの恐怖が極めて知的に緻密に構築され、我々が知らず知らずに信じている確証の無いモノをフッと暴きだし、途端に絶望が去来する。これはまったく怖い!
しかしながら小松左京の筆は軽やかであり文章は軽妙洒脱。決して荘厳重厚ではなく、さらりと読ませ、感嘆するわけである。

裏をかき、虚妄を暴き、騙しすかし、ゾクリとさせ、ニヤリとさせる、小松左京の多才っぷりにはいつもいつも感服。

ショートショート集なのであらすじには触れられないが、どれを読んでも「SFはイイ!」という事請け合い!

短編も良いもんです ★★★★☆
名作「日本沈没」の翌年に書かれました。
中学生時代の1977年の文庫が初読です。
こんな時代には「小説新潮」は読んでません(笑

短編なのでネタは、ばらしません。
しかし、TV番組で類似のネタをやってました。
似たような映画も公開されましたね。
類似の古典的な作品も多々あります。
でも、設定が身近なだけにものすごい緊迫感です。

小松左京氏はパニック物の長編が有名ですが、
短編にも優れた作品が数多くあります。
ブルドーザーに例えられるほど多作な小松氏なので、
作品毎に作風が違います。
この短編集の収録作品はホラー風味がついていて、
独特の読後感が楽しめます。