天才,山下毅雄音楽によるルパンの原点。哀愁漂う大人のムード。1stシリーズ,緑ジャケルパンのBGMがデジタルリマスタで甦る!
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TVアニメ『ルパン三世』最初のシリーズである、1971年第1シリーズ=緑ジャケルパンの音楽集。
正式なタイトルがどこまでかよくわかりませんが、ライナーには、
「1st TV新規録音アルバム テレビオリジナルBGMコレクション・ルパン三世 〜山下毅雄 オリジナルスコアによる「ルパン三世」の世界〜
ルパン三世 生誕40周年記念 紙ジャケットシリーズ」とあります。
オリジナル音源は、当初、1980年テレビ・オリジナル・BGMシリーズでサントラのリリースが企画されたがマスターテープが紛失していたため(未だに紛失のまま)、
仕方なく新録音したLP用の音源であるためサントラではなくセルフカヴァー、当時の新録音、といえますが、
これまでも、LPレコードからCDへ、CDも数回再リリースされ、デジタルリマスタリングも2度目という超人気盤です。
もちろんステレオで、マスターがあったら録音されなかった企画と考えると、複雑な心境ですが、
オリジナルの録音時にはチャーリー・コーセー、伊集加代子 嬢も参加し、あのオリジナルの雰囲気とスキャットがステレオ、デジタルリマスタリングで聴けるだけで幸せ。
今回のリリースは、解説では「紙ジャケット・リイシューにあたっては。初期CD化商品に比して音量感をアップさせるとともに、各楽器のアレンジを解像度良く鑑賞できるようリマスター」
(Co-Director高島幹雄 氏)とあるように、全体的に音が強く、個々の楽器の音が前面に出ていて良い感じがします。
また、今回のリリースではLP発表曲に、ボーナストラックとしてチャーリー・コーセイの主題歌テレビサイズ1(SEなし)・2(SE入り)を追加。
紙ジャケット仕様として、LP発売時のジャケット+帯+ライナーノーツをCDサイズでそのまま再現、読めない小さい解説文の文字も別途新規に追加したライナーに掲載し、なるべく当時の情報を再現しようとしています。
ある年代以上は、セカンドシリーズ=赤ジャケルパン(大野雄二氏の音楽の赤いジャケットを着たルパン)より、
やはりオリジナルはファーストシリーズに限るという人は多いでしょう。
特にその前半は、大人向けのムードがイカシテル。セカンドシリーズのマンネリの悪ふざけの部分がまったく無いところがいい。
けっして大野雄二氏の音楽を否定しているわけではありませんが。
音楽は、ルパンではこのファーストシリーズのみ参加の山下毅雄 氏。
山下氏特有の、けだるいヨーロピアン?な哀愁漂う大人の雰囲気、チャーリー・コーセーと伊集加代子 嬢の歌声は、大野雄二氏の音楽とは大きく異なるムードです。
ルパン音楽のムードは、同氏の『プレイガール』『プレイガールQ』(現テレビ東京製作テレビドラマシリーズ)の音楽にも
非常に通じるものがあり、こちらもあわせて聴き比べるのも一興です。
こちらにも伊集加代子 嬢が参加しています。
(CD発売日:2007/3/14)