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ルポ 正社員になりたい―娘・息子の悲惨な職場

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 影書房
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人間らしく働きたい ★★★★★
 このレビューのタイトルは終章の副題より引用した。不運だけの理由で悲惨な職場で将来のない仕事をする。そこから抜け出すだけの経済体力がない、社会経験が足りない、若い人達の叫びを聞いて欲しい。
 筆者はご自身の苦い体験をから人間らしい、慈愛の気持ちを持ち膨大な取材を通して本書を構成している。そこにある言葉は重い。インタビューを受けている人の言葉はもっと重いに違いない。読み取って欲しい。
 日本の代表的製造メーカになったK(英語のスペルではC)のことが書かれている。私はそのメーカの製品を買ったことがない。ささやかな抗議である。なんらかの社会的な制裁が必要と考える。同志を人間として扱わないのですから。
 文中の次の言葉が力強く躍動して欲しいと思う。
「若者たちは、現状に甘んじることなく、少しずつではあるが、声なき声をあげはじめ、自分たちの未来をつかみ取ろうとしている。」
選択なき雇用形態の多様化 ★★★★★
パート・アルバイト、派遣・契約社員などの非正社員の方たちが、社会へ出る
過程でどのように考え、行動して職を得て、その結果として非正規雇用となり、
非常に苦しい環境の中で生計を立てるに至ったかが本書では語られます。

著者自身がバブル経済の崩壊後、厳しい就職環境の中でマスコミの契約社員と
なった経験もあり、きちんと彼らの立場に立ち、取材している姿勢が文面からは
窺えます。

個々のケースでは、数ページから10ページ程度ですが、本書を手に取ることで
非正規社員という立場の方々の苦悩が浮かび上がります。

各章には、賃金無き回復、つくしても報われない派遣の実態、妊娠解雇などの
活字が躍り、実在の上場企業の名を挙げて職場で実際に行われていた偽装請負の
実態とその後の経過について、現場の声を拾いながら話は展開されるものもあります。

本書は「娘・息子の悲惨な職場」とサブタイトルに打ってあるように、10代後半〜
30代前半くらいの子を持つ親へ向けた本だと思いますが、中心に据えられているものが
今なお具体的な解決の道筋が見えない問題でもあり、彼らがどのような立場に
置かれているかを知るためにも、これから会社組織への就職を考える学生の方や
既に働いている人は是非一度読まれることをお奨めします。
同世代の筆者に期待 ★★★★★
私も就職氷河期世代で、小林さんと同年代です。本書では、筆者の取材にかけるパワーと社会や政治や経営トップに対する怒りが伝わってきます。登場する人たちは、単なる甘えや価値観の違いで済まされてしまいがちな、非正規労働に反発しがちな方たちにも納得きるだけの背景を持っています。そういう人こそ救われるべきではないでしょうか。取材対象の懐に飛び込んだ取材と丁寧さが、まさに、構造的な問題でやむなく派遣社員になってしまった時代の矛盾を突いていて、データや法律的な部分も含めて分かりやすく、読み進めるうちに登場人物の思いが筆者の思いも重なって、心に響いてきました。筆者の過去の記事などを追っていくと、ずいぶんと以前から非正規問題を書いていて、マスコミが大々的に取り上げるようになる基礎を作っていることがわかります。格差問題の火付け役となり、ずっと問題を追い続ける筆者に期待したいです。
非正規社員が正社員になることを応援いたします!! ★★★★★
著者は、私より2歳上ですが、2浪しているため
大学卒業年度は私と一緒の2000年です。

私は大学院へ行き、2年経過後中退していますが、
就職でいうと氷河期で、就職するのが難しかった時代であるため、
共感できる部分が多くありました。

大学卒業してすぐ正社員となっていなかった人が
正社員になる割合は4割だそうです。
私は大学院のゼミの単位だけ不足で中退しているため、
就職機会を失い、しばらくバイトしていました。
もちろんその間副業として、あるネット業で
一人で商売を、バイト収入と別に年収300万くらい稼いで
いましたが、正社員の経験が少なく
今に至るまで大分苦労しました。
(今も、周りより社会人経験が少なく、
マナーだったり、周りの人と話すことに苦労しています)

この本を読むといかに、自分の環境は恵まれているんだな、
私より苦労している人をなんとか助けられないか
と思いました。

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■キャノン
この本の中で、キャノンスタッフサービスが
派遣社員をコキ使っていたり、
3年期限で社員にしたくないため、雇用形態を無理やり
変えさせたり・・・
目を瞑りたくなるような実体が描かれていました。
私も社員としていろいろ不安を感じ、フリーの
就職雑誌にて、4月に幕張のキャノンのコールセンター(派遣)
を見つけました。
大手ということもあり、キャッチコピーも素敵で
実際興味がわきました。
しかし、派遣をこき使い、安く利用し使い捨てるという有様・・・。
キャノンは上記を認めていないようですが、
大手でこのような使い捨てがあるとは驚きでした。
正社員が行いたくない作業、
・高温多湿のなかでのプリンター稼動テスト
あそこにいる派遣の人にやらせれば?ですって!!

人の良心を疑いました。
私は絶対こういった社員にはなりません。

■イヤなら辞めれば?
よくこういった言葉を言えるものですよね。
だれも好きで派遣をやったり、パートをやっている人は
いません。(だんな様が成功していて、小金稼ぎの人は除く)
夢を追う為、もしくは大学卒業時やりたい仕事に就けず、
そのまま派遣を続け、30歳になり正社員を探すも
なかなか雇ってくれない
といった現実があるのです。

数冊、ワーキングプアなどの本を読むと、会社側は、ほとんど
「氷河期時代の人出は不足しているが、即戦力になる人意外は
雇う気がない」
と言っています。

今は団塊の世代が大量にやめ、売り手市場になっています。
しかし、団塊の世代が大量にやめるのは以前から
分かりきっていたはずです。
その分として、氷河期世代の人を雇い、育てていたら
どれだけ今の正社員の負担が減り、会社の利益に貢献できていたか
と思います。

人は自分勝手な生き物と思えばそれまでですが、
救いの手を差し伸べる会社が出てくる事を祈ります。

こういうと、中小企業は人が欲しくてもなかなか来ない、
そういう会社を見てきたのか、
というさびしい意見をする方もいます。

どこに入りたいかは人それぞれであり、
それぞれが入りたいと思える会社に、該当会社がこたえてあげて
欲しいと言いたいのです。

■正社員経験年数
大学卒業後すぐ正社員となり、同じ会社にずっといる人が
一番給料が高くなっています。(営業、保険等、インセンティブは別)
中途採用だと新入社員扱いで、かつ即戦力かつ
前からいる社員より給料が下がります。
さらに、正社員経験自体短い人はさらに給料がさがります。
いつ、正社員になったかだけでこれだけ差がつくのは、
ナンセンスです。
実際にその人の能力は、今いる社員よりずっと高いことだって
あるのです。
ただ、仕事の理解がこれからだったり、周りの人が
みんな知らない人ばかりで手探りで時間がかかるだけなのです。

この慣れない感じ=仕事ができない
と勝手に見下し、自分の地位を安泰させる人が多すぎます。

私はこの現状を見て、環境が許せば、すぐにでも会社を興して、
会社の看板に関係なく、そして正社員経験少なくても
やっていけるところを見せていきたいと思いました。
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だれもなりたくて非正規社員になっているわけではありません。
この本を読んで、
私も、正社員になるまで苦労した経験を、
苦労している人の助けにできたらいいなと思いました。
経済・社会情勢に翻弄された若者を描いたルポ ★★★★★
経済(消費者の嗜好の変化(p138)など)・社会(派遣の拡大などの雇用の流動化など)情勢に翻弄され、不幸にも一般的に賃金が安い非正規雇用の人に焦点を当てたルポルタージュである。

この本に書かれたことは、私の知る限りでも現実に起こっていること、ならびに、それを抑え気味に、データも使いつつ書いていることが好感が持てること、以上2点により星5つとする。

なお、この本について私が思ったことを書いて、後記としたい。

(1)「正社員になりたい」という題名だが、今のところかつての安定した雇用が戻ることは予想しにくいので、読んでいて息が詰まる思いがした。この本で取り上げられた方の今後の幸福を祈らずにはいられない。

(2)非正規雇用(フリーターや派遣など)やニート(外国では統計上「失業者」のはずだが)を罵倒する者がまだいるようだが(たとえば、フリーターの労働組合のデモを揶揄した週刊新潮や、ニートを叩き出せという趣旨のことを対談で語った野口健さん(正論2008年2月号))、この本レヴェルのことを知らないで書いたりしたならば、勉強しなおせと言いたいし、知っていて書いたりしたとすれば、悪質だと思った(この本と直接の関係はないが、ニートについて付言すれば、p97の状況ゆえにニートになっても責めることはできないだろう、まともな神経の方ならば)。