豪腕快投ヘヴィロック
★★★★★
インストゥルメンタル・メタルという、独自のポジションを確立した感のあるシカゴの4ピース/Pelicanの3rd。
パワフルなドラミング/重量感溢れるベースラインを中央に、その左右からメタリックなツイン・ギターが鈍い煌めきを携えた豪快な音の濁流を放出する。デビュー作"Australasia"での密塞感の高い重低爆音と、2ndアルバム"Fire In Our Throats〜"で描いた広大なスケール/タフネスを上手く折衷したような今作。その音のスタンスはこれまでと全く変わらず、滅法ヘヴィでストレートな煽情性に満ち充ちた音の鳴りっぷりは、やはりメチャクチャ気持ち良い。
全8曲/42分と、過去2作と比べかなりタイトな展開を見せる今作。都会の喧騒を呑み込みながら、摩天楼を駆ける烈風の如き音の多重奏が吹き荒れるタイトルトラック"City Of Echoes "、ヘヴィ・メタルの様式美/暴力的な昂揚感を全面に打ち出した"Dead Between The Walls "、春の澱みに蕩揺たうノスタルジックな濁音が、次第に巨大な円弧を描き立ち上がるラストトラック"Delicate Sense Of Balance "に到るまで、かなり高次のラインでの大きな昂揚が描き出されていく。サウンド・スタイルに目立った変化が無い分、かつてほどの衝撃こそ無いものの、作品の完成度においては、前作同様に非常に高いものを感じる。なお、日本盤は40分強のライブが収録されたボーナスDVDが付属する仕様となっています。