最後にしてやられる。
★★★★★
最後にギャフンといわせられるのは
間違いなくこの本のことでしょう。
まさか犯人が…ということは
なかなか想像できないと思いますので。
ちなみにこの作品には
ところどころに鉄道用語が出てきており
それが物語をいっそう面白いものにしているのです。
フレンチ警部の執念の捜査ももちろん健在。
特にきわどい活動もしないので
盛り上がりには欠けますが
少しずつ犯人を追い詰めています。
しかしながら今回は手柄はフレンチ警部じゃないですけれども。
有名な作品では出てきませんが、
良作です。
クロフツのミステリーにかける情熱が伝わった
★★★★☆
二人の死。
これは事故 そして 自殺なのだろうか。
簡単に片付けられそうなこの二人の死を、フレンチ警部の頭脳が
この裁定を覆します。
鉄道技師の仕事がこと細かに書き綴られ ひとつひとつ検証して
アリバイを崩していく フレンチ警部の情熱は きっとクロフツ
そのまま なんだろうなと感じました。
重厚な作品です。
鉄道技師という職業への愛着溢れる好編
★★★★☆
クロフツが元々鉄道技師だったことはよく知られていますが、じつは小説家としてデビューしてからもかなり長い間、鉄道技師との二足のわらじを履いていたのだそうです。その彼がいよいよ小説専業になった時期に発表されたのがこの作品です。本作は彼の鉄道技師という職業に対する愛情が溢れたもので、鉄道技師たちの間で起きる事件を題材にしたものです。鉄道技師という職業についての様々な蘊蓄が本作を彩っています。
クロフツと言えばアリバイ・トリックと相場は決まっていますが、本作はアリバイ・トリックを用いながらも、意外な犯人という路線にもなっています。この犯人の正体の隠し方は、作者が読者に仕掛けるトリックという面もあり、堅実な作品が主流のクロフツ作品にしてはやや異色となっています。