まあ、普通。シリーズの中の1冊という感じ。
★★★☆☆
カンナシリーズ第5作目。
今回も、いつもと同じく、旅先でトラブル(というか事件?、争い?)に巻き込まれる、というパターン。これまでの4作と、基本的な展開は似ているので、ある意味ではマンネリともいえるし、安心して読めるともいえる。日本史には明るくないので、どうしても小説内で展開される歴史ネタには、それがすごいのか否かなども含めて、なかなか反応出来ない。これまでの高田崇史作品を読んでいる側からすると、(ある程度、というか、かなり慣れてしまっているため)これまでもちらちらと出てきた名前やキーワードなどが出てくるので、そこまですごいことではないのかな、という程度にしかわからない。もう少し日本史の知識があれば、また、違った印象を持つのかもしれないが、現時点では一小説としてしか読めない。
今回も、これまで名前だけだった人物のシーンがあったり、黒幕的存在が示唆されたりと、シリーズ全体を通してのストーリィが少し見通しが良くなった。個人的な印象だが、このシリーズはミステリというより、(全然ライトではないと思うけど)ライトノベルなどのエンタメ系の小説に近いような印象を抱く。