ポジティブな言い訳
★★★★☆
社会人になると言い訳は出来ない。
それは、どんな場合においてもだ。
ただし、自分自身に対する(口には出さないが)ポジティブな言い訳はOK。
これは次回失敗しないように重要である。
敗者の言い訳。
★★★★★
この巻は精神面・体調面のケアが中心。
人間、自信を失うとやる気が出ない。こんなときには過去の実績が頼りになる。他の人よりも努力したんだから負けるはずがない、と思うことが一番効果的。その際、過去の実績を手帳に書き記すってのは確かに良い方法ですね。
体内時計の話は、人間は日光に当たることで体内時計をリセットしていると新聞で読んだことがある。起床時間を一定にすることも、昔から規則正しい生活とよく言われているように、ちゃんと意味があるんですね。睡眠導入には耳が大きく関係しているという話は初めて聞いた。聴覚は自然に感度調節されるんですね。言われてみれば「うるさすぎて寝れない」「静かすぎて寝れない」というのは定番だもんな。
でも、この巻で一番気に入ったのは、言い訳のところだなぁ。「敗者の言い訳」と「勝者の言い訳」とは、うまいこと言いますね。相手を批判して自分を正当化するための弁解のような言い訳が敗者の言い訳。改善するために自分の欠点を見つける言い訳が勝者の言い訳。どちらの人が成長するか一目瞭然ですね。
手帳活用術
★★★☆☆
水野直美が勉強しても成果が上がらず自信を失いスランプとなった時、
立ち直らせるのに有効だったのが手帳に学習記録を書き込むことでした。
その日に勉強した内容を手帳に書き込むことで、その成果を量として
確認できようになり、不安を解消できると言うのです。
その他、手帳でカウントダウンする方法、
番外編として元祖手帳マスターの吉田たかよし氏の手帳活用術
も載っていてタメになります。
個を捨てるだ?
★☆☆☆☆
この漫画や関連書に「個を捨てろ」などというフレーズをどさくさ紛れで見たことがありますが、これ以上子供を圧迫する教育を押し進め一体何になるのでしょうか。個性を徹底的に刷り潰す受験、試験の為のノルマ至上主義の均質教育がどれ程の功罪を産み、一体何人の若者の将来をズタズタにしたのか分かっているのでしょうか。もう何を言ったとて無題だろうけど…
また、ゆとり教育が学力低下を招いたなどと私は決して思わない。
我が校の生徒はそれほどバカじゃない!
★★★★★
龍山高校では東大を目指す特別進学クラスの生徒だけではなく、一般のクラスの生徒たちも『大学に行こうかなー」と言いだしています。
一般クラスでは、大学入試に向けたような高度な授業をしているわけじゃなく、中学校レベルの基礎を教えているだけなんです。
それでも、授業がわかってきて基礎が身に付いてくると、勉強に無縁だった生徒たちも変わってくる。
桜木先生は言います。
###
成長を実感できれば学校へもちゃんと来る
教室にいても居場所がないというような違和感を持たなくなる
机に座って授業を受ける普通の高校生の姿に戻れる
生活の乱れも改善され、ケンカやトラブルが減る
学校の空気が平穏になる
ちょっと勉強させるだけでこんなに変わるってことだよ
###
さらに桜木先生は言います。
###
学力の基礎は中学までにほぼ完成される
だから中学レベルの問題を完全に理解できたならば相当の力はついている
大学入試でも中学レベルの学習内容を応用して解ける問題は意外と多い
だから大学受験をするからといって学習レベルを無理に変えなくとも狙いどころを間違えずにしっかり対策をとれば合格はそれほど難しいことではない
###
そしてこう締めくくります。
###
もはや我が校の生徒はそれほどバカじゃない
###
かっこいいですねー。
学校の仕事は、畑を耕すことなんだと思っています。
そこにどんな種を蒔くかは、それぞれの生徒の勝手。
でも、いつでも種を蒔いて、水をやったり肥料をやったりと必要な世話をすればグングン成長できるだけの畑にしておく。
だから学校は、卒業したからすぐ希望の会社に就職できるとか、自分の好きなことができるというような、直接役に立つところではなくなってるのは確かです。
でもその役割は依然としてあるんだと思います。
畑を耕すこと。
そのために「我が校の生徒はそれほどバカじゃない」と言えるような学校であってほしいと思います。