いつまでも色褪せることのない名盤
★★★★★
往年のオリビアしか知らないファンは、最初面食らうかもしれません。というのも、このアルバムのジャンル分けとしてはニュー・エイジ(ヒーリング&リラクシングをテーマとした音楽)。ポップで親しみやすいナンバーの多いオリビアとしては、異色の作品と言えるかもしれません。でも、これが実にいいんです。だいたいCDなんて、購入してもせいぜい5回から10回くらい聞けば飽きてしまい、全く聴かなくなるのがよくあるケースですが、このリニューアル作品の前に出された2006年発売のオリジナルを4年経った今でも聞き続けています。継ぎ目がなくインストゥルメンタルとボーカルの曲が交互に登場し、芸術的ともいえる絶妙なバランスを醸し出し、アルバムの統一感は完璧。宇宙の広がりを感じさせるような世界観がこの作品にはあります。聴き始めた当初は、オリビアの声そして曲自体の静謐さ、そして美しさに心が洗われる思いでした。今でも、そう感じることがあります。これは、プロデューサーのエイミー・スカイとオリビアの精神性の高さ、言い換えれば、2人の純粋で無心なスピリッツが統合してなしえたものでしょう。
なお再レコーディングされた「to be wanted」「love is letting go of fear」「gate gate」「i will lift up my eyes」「the power of now」もいい出来です。今現在の曲に対する解釈というか思いが伝わってきます。オリジナルと比較して聴くのも楽しいのでは・・・。
おそらく、この作品は大きな話題になることはなく、ヒット・チャートを駆けのぼることもないでしょう。ただ、このアルバムを気に入ってもらえれば、永遠に色褪せることのない宝物になると信じています。