真面目にバカなパパなんだ。
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届いた本をペラペラと見てみた、所々に載せられた写真は昭和の家族の懐かしい感じのもの・・・うん?いや違う普通じゃない! こんなにマジメにバカな父親はソウソウいない。
本書は一人娘のりえ子さんが大好きなパパやママ 家族との思い出を読みやすい文章で綴ったものです。
パパのハチャメチャなエピソードにガハハッククッと笑い彼女への愛情にウルッとしながら読んでいると、傍をパタパタッとハタ坊が走って行ったような気がした。。
そして・・・泣けて泣けてなかなかページが捲れない最終章・・・・
読み終えて本を閉じたら表紙の写真が「これでいいのだ」と微笑んでいました。
とてもお勧めの1冊です。
やっぱり…これでいいんだぁ!やっぱり…
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この本は赤塚不二夫と赤塚不二夫を取り巻く人々の物語が一人娘によって語られるお話です。全部実話だと思いますが、赤塚漫画並みの破天荒な物語!事実は漫画より奇なり!!というかバカボンのパパよりバカ!!!
帯の坂本龍一の「涙、笑い、涙、笑い…交替が激しくて、顔がクシャクシャだぁ!」という言葉、まったく大げさではなくて、本当にその通りになりますのでお出かけ前とか人前で読むのはおすすめできません。
チャップリンの映画みたいって言ったらいいんでしょうか、こっそり泣き笑いしてください。
とくに「とんちゃんとラー油」のエピソード…消えた鉛筆、フィリッピンのホテルでの出来事など…
挙げたらキリがないですが、赤塚漫画が好きな人もそうでない人も、とにかく一度は手にとってみては?
本文もさることながら写真を見ただけで爆笑です!!!
いままでいろんな伝記本を読んだけどこんなの読んだことないです。え?こんなこと書いちゃっていいの〜?みたいな…本のコメントなんかしたことないけど思わずしちゃいました。
“あの時代”を知っている,全てのひとたちへ
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まるで著者が目の前にいてお喋りしながら語ってくれてでもいるかのような錯覚を覚え,彼女のその“語り”に巻き込まれるままつい一気に読んでしまった.
この本は,不世出の天才ギャグ漫画家赤塚不二夫の一人娘である赤塚りえ子さんが,父親である赤塚不二夫と,彼とともに生きた二人のパートナーを交えた家族を振り返った回想録と言える内容.
これまでにも様々な人によってメディアで語られて来た,赤塚不二夫の底抜けにクレイジーで破天荒な生き方が,娘の目にどんなふうに映っていたのか,それらが次々に語られ,赤塚不二夫の人となりを始め,敗戦の記憶もまだ生々しかったあの時代あってこその,様々な悲しみを内に秘めて,そこを尽き抜ける事で爆発的な笑いのエネルギーに変えてしまう,そんな創作の秘密の一端までが判るような気がしました.
それにしても,まるで目の前に著者がいて,その語りに耳を傾けてでもいるかの様な感覚で,その深い愛情に打たれるとともに,パパの事を語らせたら恐らくは止まらないんだろうな,なんて思いながらこの本を読み進めていくのはとても楽しい時間でした.
この本はその読みやすさもさることながら,語られる赤塚不二夫とその家族の魅力もあって,広く共感を呼ぶ作品です.
とりわけ,敗戦に依って心に深い傷を負った戦争を体験した世代と,その世代を親に持つ人々には特にこの本とそこで語られる赤塚不二夫の生き方に深く打たれると思う.